第百三十九話 武器屋探し 二
「お前さん達ここで何してるんだ? 」
「俺達は武器を買いに。ケリーさんは……どうしてここに? 」
「俺か? 俺も武器だ」
「「ケリーさんが武器を??? 」」
職員であるケリーさんが武器を買いに来るとはどういうことだろうか。
壊れた武器の
「お前さん達失礼なことを考えてないか? 」
「「いえ、そんなことは
てっきり
いやこの人一応職員だったな。
「で、なんで武器を買いに行っているのですか? 」
「武器が壊れたからに決まってるだろ? 」
「いやいや、ケリーさん。職員じゃなかったのですか? 」
「職員だが今冒険者の人手が足りてないんだ。だから課長に行ってこいって言われて周りのモンスターを狩ってたんだ」
「……ケリーさん。部長でしょう? 」
「課長が「お前ほど
「「ご
から笑いしながら途中から一人の世界に入ったケリーさんは少し怖かった。
そうか、人手が足りていないのか。
ギルドに
恐らく王都が一時的に
自由、とはいえ中々に
「でもギルド職員が出る程に足りてないんですか? 俺達はバジルの町から来ましたけど多少抜けたくらいで影響が出るような少なさには見えませんでしたが」
「確かにアンの言う通りだな。依頼の数もそうだが冒険者の数もかなりいたはずだ」
「一時的な依頼の急増だ。予想よりも
「と言うと? 」
「
薬草採取やゴブリン退治のような危険性を伴う依頼よりもより
そう考えながら王都を歩く。
「それで俺達が
なんで体の方が
防具、いりますか?
「
「それで買い替え、ですか」
「そんなところだ。そう言えばお前さん達最近見てないがちゃんと仕事してるか? 」
「やってますよ……。武器を壊すほどには。ケリーさんは行くところ決まっているんですか? 」
「ああ。人気はあまりねぇが行きつけに行くところだ。ついてくるか? 」
「いいんですか? 」
「いいって、いいって。こっちだ」
★
「おいクソオヤジ。生きてっか! 」
「クソオヤジとは何だ、クソオヤジとは!!! 」
後をついて行くと
だがこれは武器屋と言うよりかは
そして中に入るや
かなりの大声で叫んだおかげか空っぽの店の奥にある
彼が店主なのだろうか。他に人が見当たらない。
「ケリーこそ生きてたのか。冒険者やってんならグローブの整備くらいきやがれ! 」
「今冒険者してねぇんだよ。
「あ“。冒険者やってねぇ? ならお前今何やってんだ? 盗賊か? 盗賊に売る武器なんてねぇぞ! 」
「ギルドの職員だ! 冒険者ギルドの職員!!! あれから一体何十年
「馬鹿言え、お前と違ってまだまだ現役だ!!! 」
確かにケリーさんを見て冒険者から転職と言われれば盗賊か山賊を思い浮かべる。なるほど、納得だ。
しかし
仕方がないということで
空気になった気分だ。
「で、そっちの
「どう見ても魔族の
おおっと、いきなりこっちに話が飛んできたと思ったらケリーさんの子供になってしまった。
ケリーさんは否定してくれたがあのムキムキと同じように見えたのならその眼は
「冒険者のアンデリックと申します」
「同じくスミナだ! 」
「見た所
「冒険者初めて二か月ほどになります」
「やはりか。まだまだ青さを感じるな」
そして俺の腰の
「ちょっと見せな」
そう言われ腰から
一本角の店主は剣を抜きまじまじと見ていた。
「これを作った奴は……相当だな。だが、どんな奴を相手にすりゃぁ壊れる一歩手前まで行くんだ? ケリーでもぶった切ろうとしたか? やめとけ、やめとけ。不意打ちでもこいつはきれねぇ」
「え? 俺か?! 俺が原因なのか!!! 」
あの事件の事はあまり口に出さないように王都騎士団から言われていた。
ここは何も
時には何も言わないことが身を護る事もあるのだ。
「……この剣に代わる
首でくいっと武器の方を指して選ぶように
どうやらまた
俺とスミナが
他の店と
ありがたい。
「これなんかどうだ? 」
渡された剣を手に取り違う方向を向いて軽く振ってみる。
だがどこか違う気がする。
そして他の剣も見て周るがどこかしっくりとこない。
どうしたものかと考えていると
「これは……」
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