エカテー・ロックライド 二
冒険者ギルド・ギルドサブマスター『ミッシェル』がいなくなった昼過ぎの事、エカテーはその取り
「あまりお気になさらずに、エカテーさん」
「そうです。何より、冒険者の死亡率を下げようとしているエカテーさんの取り
「そうです、そうです! サブマスターとして、いえ人としてあるまじき
「
「「「エカテーさん!!! 」」」
エカテーに
しかし
『エカテー・ロックライド』。
彼女はロックライド男爵家の子女である。
彼女を一言で表すなら――『
ロックライド男爵家は大きな領地を持つ貴族家ではない。
せいぜい少し大きい村の村長くらいの大きさだ。もちろんのこと社交界や国での立場が大きいわけではない。
しかし村に戻ればお山の大将なのが彼女の父や母である。
その様子を見て育った彼女は
彼女は貴族には珍しく婚約者がいなかった。
よって
ギルドの受付嬢と言えば
運が良ければ高位冒険者と結婚し、その後
自分が行うにふさわしいと考えた彼女は持つ
彼女が
男爵令嬢という名の権力とその
……数年前、ミッシェルが現れるまでは。
「しかし困りましたね。サブマスににらまれるとは……」
食後の紅茶を一口飲み、意識しない言葉が
ミッシェルの顔を思い出し、怒りで彼女の顔が
ミッシェルが受付嬢として現れてから転落続きだ。
前回の不正の
「そうですね……。最近
「私の
「それは本当ですか?! ならば私も気を付けないと」
最初に言った事務員の言葉を
やれ
それを聞き、飲んでいる
むせるのを我慢し、
こ、この人達! 今とんでもない状況なのわかっているのですか!
エカテーは話を
しかし言うに
そうとなればすぐに対策を
「
「「「はい? 何でしょう? 」」」
エカテーの言葉を受け、各方向から
こ、この人達は!
誰かの不正が
何をのんきな!
「以前より冒険者の方々が私へ持ってきた依頼の依頼料の一部を皆さんに
「そうですね」
「ありがたいものです」
エカテーは依頼料を一人で
それを
無論多く冒険者が彼女に並んでいた昔は、だが。
支配下の者達がのんきに答える。
その答えに額に
「……そして
「ええ、
「あの時は助かりましたわ!
「あらあら、まぁ。それは良かったこと」
「しかしその後があまりよろしくなく……」
「それはお気の毒に……」
以前エカテーは
これにより『お仲間』となってしまった事務員達は彼女の行動を
それもミッシェルが現れるまでは、だったが。
以前の事もあり
ここまでわかっていてなんで答えまで出ないんですか!
それに私知っているのですよ、その男。
そちらにいる隣の人に
「あ、あの……少しまずいのではないでしょうか? 」
そう、左から聞こえてきた。
声の主は今まで会話に参加しなかった
私の
期待を乗せて、彼女の方を見る。
「
「え、そうなのですか? 」
「それは大変!」
「しかしそれが本当か分かりません事よ? 」
「確かに……」
ギュッ!
持っているティーカップを、
今、怒鳴れればどれだけ
これだけ状況が
しかし今言うにはいけません。
もう少し様子を見ましょう。
「で、ですが、各
それを聞き、少し空気が
これに乗じて私が一声かれれば!
しかし言う前に右隣から声がした。
「
声の方を振り向き、
目に映るのは
エカテーよりもさらに
隠せない歳の波を額に
人事部職員!
最年長のくそババがっ!!!
「この程度何ともありません。
「そうは言っても……」
「しかし……先輩の言うことも
「確かに」
「私もそう思いますわ」
「しかし何らかの対策は必要だと思うのですが」
「……動かないほうがむしろバレないのでは? 」
主導権をっ! 取られたッ!
「もし必要ならば
「整理するだけ、でいいのでしょうか? 」
「ええ、整理です。『整理』、『
これは……まずいですね。
主導権を
このままだと全員最ももれなく追放です。
どうにかしないと……。
年少の
顔が青い……。
まぁそれもそうでしょう。
自分の言葉が
……少し期待したのですが、無理そうですね。
「では今日の休憩はここまでにしましょう」
こうして昼食は終わった。
帰り
くそっ! あのアマ!!!
しかし、これを
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