第15話 大作戦

「しかしね、この素性の分からない女との結婚。他の家臣や他国の武将たちは納得しないと思いますね。むしろ、好花様のことを変に調べようとしたり、狙ってくるかもしれません。


もし、好花様が未来から来たということがバレたとしたら、それはもう大騒ぎ。


みんな、未来のことが知りたいし、気になるから、好花様のことを狙ってくる輩たちがいる可能性大ですよ」


本庄実乃は落ち着いてそう言った。


「たしかにそれも一理あるな。何か良い考えのある者はおらんか?」


「んー、難しいですな」


柿崎景家は、首を捻って悩んでいる。


彼なりに一生懸命考えているらしい。




「いっそのこと、結婚するけど結婚のことは内緒にしておくとか!」


「弥太郎。お前にしてはいい考えだ」


「やっほーい」

弥太郎は、嬉しそうだ。



「今いるこのメンバーだけの内緒で、他の家臣や武将には、内緒にしておくということですか?」


「それなら、好花様の身柄の心配はしなくてよくなりますね。


幸い、好花様の存在を知っているのは、ここにいる者たちだけ。


良い考えかもしれません」


宇佐美は、弥太郎を見て、にやっとする。


「よし! 決まりだ! 内緒にしよう大作戦だ!」


「おー!!!」


また一段と長尾家の絆は深まったのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る