第134話 赤備え

 北条高広の周りには、『疾如風 徐如林 侵掠如火 不動如山』と書いてある旗を持った諸将がたくさんいる。


「これが、武田の軍旗か。


書いてある文字がたくさんあって長ったらしいな」


高広は、武田の軍旗を見て、ぼそっといった。


「これが、俗に「風林火山」の旗ともいわれているものですよ!」


側近がそういうと、


「あー、これか。


たしか、武田信玄は、孫子を大いに尊敬してるんだもんな」


「ですね。  


あの軍旗に書いてあるやつは、


中国の兵法書『孫子』からとった名句らしいんですよ。


恵林寺の住職、快川紹喜に書かせたものだそうで」


「ほーう」



こうしている間にも、バシバシと高広は足軽を蹴散らしていく。


「いやー、騙された相手の足軽たちを斬るのは、爽快だな」


「ふっ、さすがです」


「しかも、信玄のやつ、俺が謀反したのがバレて、景虎様が戦をしかけてきた時、俺たちに援軍送ってこなかったよな?


まじ、意味わかんねぇ。


裏切り者は、嫌いだわ」


高広の手により力が入り、蹴散らす威力が増している。


高広に、一騎の武田騎馬が近づいて来た。


甲冑も兜も朱色。全身が朱色の騎馬である、『赤備え』の1人だった。




「おまえ、北条高広ではないか!?」


「そうだが。なにか?」


「俺は、武田騎馬隊のものだ。


山県昌景(やまがた まさかげ)様に仕えている!


名は名乗るほどではないので、名乗らん。


おまえの噂は、聞いているぞ。


せっかく、信玄様が味方に率いてくれたのに、それを裏切ったとな」


「いやいや。まてまて。


裏切られたのは俺の方だぞ?


援軍よこしてくれなかったし」


好花がこの場にいたら、


ちょっといじけている高広がかわいい、


と、言っていただろう。


「援軍をよこさないなんて、信玄様がそんなことするはずないだろう!


ったく、嘘つきは、困るな。


ま、そんな裏切り者、この俺様が首を取らせてもらうからな!」



「なにをバカなことを。


てか、なんで武田の『赤備え』が1人でこんなとこにいるんだよ。


普通、騎馬隊でくるだろ。


ま、いいか。


そこの名無しさんよ、


俺の方がお前よりつえーからな。


かかってこいよ」



高広がそう言うと、名無しさんが迫ってきた。


高広、名無しさんの槍がぶつかり合う。


ぶつかり合っては、離れ、またぶつかり合う。


槍がぶつかった瞬間、火花が出そうな勢いだった。


「くそ、おまえも案外強いな」


「赤備えの一員だからなっ。


そういうお前もつえーな。


こんなに強い相手とやれて、ゾクゾクするぜ」


名無しさんの槍が高広の頰をかすった。


頬に傷がつき、血が流れている。


「いってぇな」


「くっ、少し外れたか」


2人は、かなりの間、ぶつかり合っていた。


そして、ついに、高広の槍が


名無しさんの甲冑を貫いた。


「ぐはっ」


名無しさんは、口から血を吐いた。


その血が馬にどろどろっとついた。



「最後におまえと戦えて良かったよ」


そういって、名無しさんは、動かなくなった。


高広は、無言で、名無しさんの首をかきとった。






※ 筆者の戯言



こんにちはー!


またまたきましたー!


戯言タイム。


今回は、戦闘シーンを書いてみました。


どうでしたでしょうか?


まだまだ描写が足りなすぎるのですが、ご了承ください。




今回出てきた、武田の赤備え。


赤備えってなに!? わけわかんねぇ!って思った方もいらっしゃると思います。


ですので、一応、知っていることを書きますね。


赤備えとは、


武田信玄軍の中で組織された騎馬部隊のことなんですね。


激強だったと言われています。


朱色の鎧に身を包み無敵を誇った騎馬隊は「赤備え」と形容され、敵国を圧倒したんだと。



赤い騎馬がきたら、



うわ!!! やべぇ!強い奴らきた!


って感じだったみたいですよ。



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