第156話 関山権現
家臣たちが言い争いをしている時、
好花と景虎は、関山権現(せきやまごんげん=新潟県妙高市関山)にいた。
「家出みたいになったね」
「そうだな。今頃、春日山城は、大騒ぎだろうな」
「弥太郎とかは、なんで家出してるかも分からないけど、めちゃ心配してくれてそう」
「わかる」
2人は、顔を見合わせて笑い合った。
「これを機に、家臣たちがまとまってくれればいいんだが」
「最近、喧嘩ばっかだったもんね。
弥太郎と朝信の喧嘩は可愛いもんだけどさ、
上野さんと下平さんの領地争いは、まじでイラついたよね。
自分たちで解決できないのを景虎のせいにして、景虎にどうにかしてとか言ってきてさ。
しかも、何回も何回も繰り返すからたまったもんじゃないよね?
話聞かない小学生みたいで、イライラしたわ」
「小学生……?」
「あ、ごめんごめん。
戦国時代には小学生っていう概念ないんだった。
無視して」
「お、おけ」
「しかもさ!
そこの争いに実乃さんまで加担してたよね?
ありえんのだけど!」
「ほんとそれな。大熊さんも加担しちゃってるしな。
まぁ、この出家騒動で、それぞれ自分たちの過ちに気づいて、直してくれればいいんだけどな」
「そうだね」
筆者の戯言
関山権現は、春日山から25kmくらいのところにあります。
関山権現とは、現・関山神社のことです。
創建は奈良時代の和銅元年(708)。
関山神社は、妙高山信仰の拠点、妙高山を神体山としてまつる里宮とされています。
古くは関山地内の巨木や巨石などが山の精霊が宿る神聖なものとされましたが、やがてその付近に社殿が建てられて祭祀場となり、仏教が伝来して以降は寺院を中心とした信仰の場に変化していったと考えられています。
山の精霊が宿るなんて、もののけ姫の
こだまを思い出しますね。
神仏が習合していた江戸時代まで関山権現(現・関山神社)の本尊とされた銅造菩薩立像は、7世紀頃にもたらされた国内最古級の渡来仏とされ、国の重要文化財です。
ちなみに、御朱印もありますよ☺︎
御手洗池という池があってね、そこにかかる太鼓橋の模様の中に、ハートがあるんだそう!
これ猪目(いのめ)という模様。
猪目の由来はイノシシの目のカタチがハートに似ているからなんだって。
イノシシは火伏せの神さまの御使いとも言われています。
縁起が良いハートを見つけてみてください!
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