第46話 会話②

「景虎様に頼ってきた信濃の武将たちって、誰だっけ?」


鬼小島弥太郎は、刀をぶんぶん振り回し敵をどんどん斬りつけながら、柿崎景家と話す。


「たしか、4人いたよな。


んーっと、井上、須田、島津、栗田 の4人だな」


「そーだそーだ。その4人だわ。



信濃の過半が信玄の手に入りそうになってるもんな」



「そーやで。



信濃の過半が信玄の手に渡ったら、越後も危ないからな。



その4人以外にも高梨家も頼ってきたよな?」



「高梨政頼(たかなし まさより)な!



彼らとは、昔からの長い付き合いらしいな」



「そーそ。


高梨家は、長尾家と昔から親交があったから、助けるのは分かるけど、他の奴らも助けちゃうところが



景虎様らしいよな」



「わかるわー。



高梨家にはな、


「黒姫」という名の美しい娘がいるらしいぞ」



「え! まじかよ! 会ってみてーな」



「噂によるとな、龍神に求婚されたっていう「黒姫伝説」があるんだとよ」



「なんじゃそれー! はんぱねぇな。



どんだけの美人やねん」



「ま、俺たちには好花ちゃんがいるやん」



「そーだったわ。


景虎様も面食いだよな」



「男ってそういうもんだろ」




こんな会話をしながらも、二人は次々とぶった斬っていた。







※この黒姫伝説は、信濃の「黒姫高原」の語源にもなっている。

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