第130話 軍法会議にて
軍法会議にて。
「信玄が青木島大塚に布陣したらしいです!」
報告の者が景虎に伝える。
「なるほどな。
ここは、犀川の「市村渡し」の南東2キロ付近だったよな。
※市村渡しとは、交通の要衝で、犀川を渡るために主に使っていた渡し場であった。
この市村渡しを封鎖されると、犀川を渡ることができないんだよなぁー。
信玄、よく考えたな」
「そうですね。
ま、でも、今はどっこいどっこいですね。
犀川を渡ることができないとしても、
武田勢の旭山城に対抗する、長尾勢の葛山城がありますから」
「定満さん、なんか、位置関係というか、力関係が分からなくなってきちゃった」
弥太郎は、困ったように定満に話す。
「整理しますね。
まず、景虎様が今いる葛山城のほうが、信玄より高所に布陣しています。
信玄側には、旭山城があって、実乃さんが布陣している横山城を監視していますね。
で、その旭山城を景虎様側の葛山城が牽制するという情勢です」
「なるほどね!
お互い、牽制し合ってるってわけか!」
兵士が駆け込んできた。
「報告です!
武田勢の旭山城へ3000人ほどの援軍が到着した模様です!
また、大量の鉄砲や弓が旭山城へ送られてきていました!」
「げ、援軍きたんか」
景家がぎょっとすると、「どのくらいの量か、わかりますか?」と、朝信は、聞いた。
「おそらく、
鉄砲は300ほど、弓は800ほどあったと思われます」
「ほぅ。報告ご苦労であった」
景虎がそういうと、
「信玄の方も着々と準備を始めていますね。
景虎様、どうしますか」
と朝信は言った。
「焦る気持ちもわかるが、ここで動いては駄目だ。
お互い、睨めっこしている今、先に動いたほうが負けだ。
ここは、信玄が動くのを待ったほうがいい。
俺たちは、旭山城を見下ろせる立場にあるんだから、
信玄の動きを見て、動いたほうがいい」
「そうですな。
ここは、待ち ですね」
「うわー!
早く戦がしたくて、うずうずするぜ!」
柿崎景家は、刀を振る真似をした。
「我慢比べ大会だな」
景虎はそう言って、渋い顔をした。
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