越後の龍上杉謙信と戦国時代をこよなく愛する女の物語

第78話 三好長慶

「どういうことですか！？」

景虎以外が食いつくように近衛晴嗣を見る。

「三好長慶殿はね、摂津、山城（やましろ）、丹波（たんば）、阿波（あわ）、讃岐（さぬき）、和泉（いずみ）、淡路（あわじ）などなど、

いくつもの国を治めているんですよ。

景虎様は、この京から追い出された幕府側についたんですよね？

なのに、いま、京にいる時点で誰にも襲われずに安全に訪れることができているって凄くないですか？

それは、三好長慶が「景虎は襲うな！」って、声をかけてくれていたからなんですよ」

「なるほどな。

たしかに、この荒れ果てた京で、襲われないのは、なんかおかしいなとは思ってたんですよねぇ」

実乃は、参ったなぁと言った顔で、頭をかいた。

「あとね、景虎殿は、天皇からすんなりと官位もらえましたよね？

もし、三好が景虎殿の敵だったら、裏で手を回して、越後から京に向かう途中の道で敵襲配置しまくってましたよ」

「三好殿は、かなりの権力者なんだな」

一同は、深く深くうなづいたのだった。

※筆者の戯言

歴史嫌いな方はすっ飛ばしちゃってくださいね！！☺︎

摂津：現在の大阪府北中部の大半と兵庫県南東部にあたる。畿内に属する。

あ、ちなみに、畿内っていうのは、都に近い地域を指す呼称のことね！

現代の「首都圏」の概念に類似かな。

山城：現在の京都府南部。畿内に属する。

和泉：現在の大阪府南西部にあたる。畿内に属する。

丹波：現在の京都府中部、兵庫県北東部、大阪府北部にあたる。

阿波：現在の徳島県にあたる。

讃岐：現在の香川県にあたる。

淡路：現在の兵庫県淡路島・沼島にあたる。