第82話 青苧
「越後の景虎殿ってさ、めちゃ金持ち! って聞いたんだけど、なんでそんな金持ってるん?」
足利義藤が聞くと、近衛晴嗣は答える。
「あれはな、青苧「あおそ)のおかげやねん」
「青苧?」
「そやで。
青苧は、糸なんよ。
これはね、織物の原料として
京など各地に出荷されているらしいんだよな。
その額といったら……莫大だよ」
「青苧は、そんなに儲かるんか」
「そやで。
だから、越後は金持ちなんや」
「財力がある男は強いよな。
おまけに義の男でもあるんだろ?
最高かよ」
足利義藤、近衛晴嗣の2人は、なんとしても景虎を味方に入れて、幕府の実権を取り戻したいと考えていたのだった。
※筆者の戯言?
前に少し触れたんですが、また触れますね!
復習って感じです!
もう知ってるわ! そんなの知らなくていい! って方は、すっ飛ばしてくださいね!!
なぜ、この2人が朽木谷にいるのか。
それは、足利義藤が、天文22年8月の三好長慶との戦に敗れたからなんですね!
室町幕府と守護大名という体制が崩れてきていた時期。
室町幕府第13代将軍なのに、京ではなく、朽木谷にいるなんて、おかしな話ですよね。
でも、それくらい、力関係は崩れてきてしまっていたんです。
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