第67話 近衛晴嗣
「ったくー、義藤(よしふじ)はー。
すぐ手合わせしちゃうんだから」
そう言って笑っているのは、
右大臣(うだいじん)様こと、
近衛晴嗣(このえ はるつぐ)だ。
この人は、the公家 という人で、格好も平安時代の貴族の人である。
「晴嗣もさ、一緒に剣やろ?」
「そんな危ないこと、しないわ!
それよりも歌を作っていた方が楽しい」
どうして、御所様である義藤と、右大臣の近衛晴嗣がこんなに仲良しかと言うと、
幼馴染で、親友だから!
「藤孝はんもそう思うやろ?」
「おう。俺も歌の方が好きだなぁ」
晴嗣に言われてそう答えたのは、
細川藤孝(ふじたか)。
この人は、将軍、足利義藤(後の義輝)の側近の一人ね!
歌とか学問好きなんだけど、
何気に筋トレしまくってて、
体は、ガチガチなんよ。
いけめん! と好花は思わず思ってしまった。
これはモテそうやな。
「藤孝さん、体凄い鍛えているんですね!」
「はい! 毎日筋トレしています!
ところで、あなたは?」
「あ、お世話係の好花です」
「ほぅ。
目がくりくりしてて、美少年ですな」
「いやいや、それほどでも」
「俺の腹筋、触ってみますか?」
「え、いいんですか?」
藤孝が服をまくると、おへそが見え、お腹が見えた。
たしかに、腹筋ガチガチ。
筋肉がついているのがよくわかる。
好花が触ろうとすると……
……なんか視線を感じる。
見ると、景虎が好花を凝視していた。
その目力と言ったら……逆らったら殺されるレベルの力だった。
「すごい筋肉ですね!
でも、お世話係ごときが触るなんて、申し訳ないので、遠慮しておきます」
好花は、全力で笑顔を作り、なんとか断った。
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