第97話 和泉山脈 紀の川

 景虎一行は、南へ南へと向かった。


「そろそろ疲れてきたわー。山しかないなー」


「走ってるのは馬やないかい。


まぁ、でも乗ってるだけでも疲れるよな。



好花ちゃん。ここまでついてきてえらいぞ!」



「弥太郎は、元気だなぁ。和泉(いずみ)山脈はんぱない。車だったら運転疲れるだろうな」


「くるま?」


「あー、ごめんごめん。何もないです」


和泉山脈は、大阪と和歌山を隔てる山脈である。


好花は、すっかり疲れきっている。







「え! 川がある!」


「あれは、紀の川ですよ」


「でかい川だなぁ」


好花は、大河である紀の川をみて、感心している。


紀の川とは、奈良と和歌山を貫く川のことだ。


「紀の川を渡るぞー」


「ほーい」




「そいえばさ、高野山って、女人禁制だよね!?」


朝信がそう言うと、



「え!??



じゃあ、好花ちゃん入れないじゃん!!」


弥太郎が目を丸くしている。


「そーだった。テレビでそれ聞いたことあった」


「テレビ?」


「あ、ごめんごめん。なんでもない」



「安心しろ。俺に良い考えがある」


「景虎様、なんですか? その考えとは」






「美少年に変身しよう大作戦だ!」



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