第191話 小田切の援軍

「小田切さん、こんなに援軍と食糧まで。ありがとう」


落合は、涙ぐみながら、小田切と正面からがっしりと抱き合った。


「なんせ、親友の窮地だもんで。


助けに行くしかねぇなってな!」


小田切は、筋肉がモリモリと盛り上がった腕を前に伸ばし、グッジョブのサインを出し、白い歯をにかーっとした。


見かけは、圧が半端なく、強面な感じだが、笑うと、周りもふっと安心する雰囲気がある。


「俺たちがここにいても、食糧を食うだけで意味ねぇから、俺たちはまた敵兵に変装して、紛れてここから出るよ。


んで、善光寺平に並ぶ俺の軍の指揮をとるとするよ。


この変装、なかなかいいだろ?」


小田切は、服を見せびらかしている。


「うん。ぱっと見、敵兵の馬場軍だな。


よくこの服、着れたな。盗んだのか?」


「ちょっとだけ、斬り殺して、その服を剥がした」


「こわっ!」


「戦なんだから当たり前だろ」


「ま、まぁ、そうか」


小田切は、平然とした顔で、話していた。


「そのうち、景虎様の援軍もくるだろうし、もう少し耐えようぜ!」


「おう!」


落合は、皆に向かって叫んだ。


「皆の者!


小田切さんが援軍にきてくれたぞ!!


もう少し粘るぞ!!


んで、馬場の奴らを倒して降参させるぞ!!」


「おお!!!」


城内に、活気が一気に戻った。

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