第192話 梓たち

落合の妻、梓は、女たちに声をかける。


「いま、小田切さんが救援にきてくださいました!


食糧も増え、援軍もきました!


こっちは、山城で、攻めにくい城なんですから、そのうち、相手も諦めて帰るでしょう!


あと少しの辛抱です!」


「はい!!


私たち、俺たちは梓様にどこまでもついていくので!」


そう言って、女、男たちは、腕まくりをした。


そう、この戦、男だけでなく、女も戦っているのである。


怪我人の救護や、ご飯作りはもちろんのこと、石落とし大作戦や丸太落とし大作戦などにも参加している。


「ちょいー、こっちにも石ちょうだい」


「あいよー」


「ここから投げたほうが当たりやすいぞ」


「さすが、戦の経験者はするどい!」


男、女、みんなが一緒に声を掛け合って、戦っている。


「戦、終わったら、美味しい飯作ってくれよな?」


「ええー。あんたが作ってよ。


私も美味しいもの食べたい」


「じゃあ、一緒に作ろうぜ」


「それいいね!」


男、女、ともに、特に威張ることもなく、仲良く、時を過ごしている。


「梓様も少しは休憩してくださいよ?


梓様も一緒に戦ってくれるのは、とても心強いけど、俺たちの大切なお姫様なんだから」


「ありがとう。


でも、私も一緒に戦うよ!


一緒に頑張ろっ!」


「梓様が眩しすぎる。こんなに美人で気立てがよくて、優しい方いるかね?」


男がそういうと、その妻が口を挟んだ。


「こんなに優しくて美しい人が隣にいるじゃんかよっ!」


「う、うん」


「なんだよ、その反応はっ」


妻が旦那をこづくと、周りのみんなは爆笑しらあたりは、笑いに包まれた。


ほわほわとした、温かい雰囲気が梓のまわりをとりまく。


なんとも、微笑ましい光景だ。

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