第104話 高野山入場!?

「着いたー!」


弥太郎が嬉しそうにぴょんぴょん跳ねている。


「高野山は、まるで天空に広がっているようだな」


「景虎様の言う通りですね。


かなり登ってきましたもんね」



「もし、バレたらどうなるんだろ?」


好花が心配そうに聞く。


「バレても女人堂に連れ戻されるだけだ。


女人堂の伝説の小杉と同じ越後出身ということで、バレても、高野山に入れるかもよ?


特別扱いで」



「景虎〜。


そうだといいな。



一人で女人堂に行くのは寂しいし」



「だな」



「景虎様!


ここが女人堂ですよ!」



朝信が女人堂を指差して言った。


「あれ?


小屋みたいに小さいのかなって勝手に思ってたけど、でかいんですね!」



実乃は、びっくりしている。



「たしかに、でかい。



小屋というのには、でかすぎるな」



「ここで、小杉さんが女性におもてなししてたのかー。


感慨深いね」



好花がそう言うと、景虎も頷いた。



「そうだな」







「ここが、高野山の入り口か」


景虎は、前を見ながらそう言った。


「いや、でもまて。


お寺の入り口である山門がないぞ?」


「ほんとですね。


まさか、道間違えた?」



「ちょっと誰かに聞いてみるか」



実乃は、通りがかりの人に聞く。


「すみません。


高野山の入り口はどこでしょうか?」



「あー、高野山の入り口はね、ここからずーっとあそこを登って……」





 「景虎様ー!


聞いてきました。



皆さん残念なお知らせです。


入り口に行くには、「弁天岳」っていうところを登らなければなりません」



「えぇーー!


疲れたー。実乃さん。もう動けない」



「好花様。あと少しです。


もうひと頑張りです!」



「うぅ」



こうして、景虎一行は、弁天岳を通ることに決めた。

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