第180話 春日山城へ戻る

景虎と好花は、ひっさびさに春日山城に帰ってきた。


「景虎様ー!


好花様ー!


おかえりなさい!!!」


春日山城にいたみんなは、全員が城の外に出て、出迎えた。


「景虎様にもう一度会えて、俺、もう……っ」


鬼小島弥太郎は、目に腕を押さえて、震えている。


腕から少し垣間見える弥太郎の目は、涙ぐんでいる。


「弥太郎っ!


おまえは、かわいいやつだな!」


景虎は、弥太郎の髪をわしゃわしゃした。


「好花さん!!!


帰ってくるの、首を長くして待ってましたよ!


またお話したり、トレーニングしたりできるのが楽しみ」


「まつえさん!


うちもです!


またいろんな術、教えてくださいっ」


好花とまつえは、笑顔で抱き合っている。


「景虎様、私、反省いたしました。


心を入れ替えて、これから精進いたします」


本庄実乃は、頭を深々と下げて、景虎に謝った。


「俺は、実乃さんのこと、信用してるからな!


よろしくな!」


景虎は、にこっと、歯を出して笑った。


「景虎様。


大熊朝秀が謀反したんですが、俺たちで一致団結して、ぶっ倒しましたっ!」


齋藤朝信がそういうと、景家も続けた。


「そうですよっ!


完封勝利ですぞ!


景虎様に戻ってきてほしくて、みんなで頑張りました」


「心配かけて、すまんな。


みなのおかげで、春日山城も無事だし、民も無事だ。


ありがとうな」


「景虎様から誉められるのが1番嬉しいです。


戻ってきてくださり、ありがとうございます!」


みんなは、声を揃えて、「ありがとうございます!」と言った。


春日山城に再び、活気が戻った。

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