第50話 髻山城

8月




景虎は、髻山(もとどりやま)に兵を進めた。




髻山は独立峰をなしている。



「うわー! きれー!」


好花は、髻山の山頂で感嘆の声をあげる。



「やっと、髻山城についたよー。ここまで、頑張ってきて良かった。



うち、山登り苦手なんだけどね、


山頂での景色見たら、心がすぅってなって、



いい気持ちになった!」




「それは良かった。好花が途中脱落しないか心配だったよ」



景虎が微笑ましく好花を見ている。



「山頂からは、善光寺平を一望することができるんだぞ。



今日はさ、晴れているから……



ほら! 越後の佐渡が見える!」




「ほんとだ!」



髻山の山頂に本城があり、やや下がった平坦部に小城が築かれていた。



山頂の本郭跡は、東西45m・南北26m、周囲に高さ1m内外の土塁をめぐらしている。



西麓と北麓には、中腹から麓にかけて、土塁つきの竪濠がある。



西麓から北麓にかけては、幾重もの空濠と郭が段をなしている。



東方と西方に登り口がある。



大手は、西方だ。


(ちなみに、大手とは、城の表門という意味です)




「ちなみにな、この髻山城を築城したの、


俺だから」



「えー!!!


さすがすぎやん」



「まぁな。


ま、俺だけの力ではないけど。


俺は築城命令しただけで、



作ってくれたのは、人々だけどな。


感謝しないとだ」




「立派なお城!


山城だね!」



「おぅ!」

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