第145話 まつえの強い理由

「弥太郎が負けるとは」


好花は驚きを隠せない。


弥太郎は言った。


「なんでこんなに強いん?」


「腕相撲は、神経の使い方を習得すれば、力がなくても勝てますよ。


弥太郎さんは、力はめちゃあるので、神経の使い方と呼吸の仕方を習得すれば、もっともっと強くなれます」


「なるほど。


まつえっち、俺に教えてくれん?」


「もちろんです。


ビシバシいきますよっ!」


「おぅ!


てか、タメ口でいいから!」


「了解!


じゃ、弥太郎さんっ、早速修行しに行こっ!」


「おぅ!」


「じゃ、景虎様、好花様、ちょっくら山に行ってきます!」


「う、うん。行ってらっしゃい!」


まつえと弥太郎は、2人で走って山に向かった。


あっという間の出来事に、取り残された2人はお互いを見て、ふっと笑った。


「あの2人、無理にくっつけなくても良かったかもな。


良い相棒になりそう」


「たしかにね。


いやしかしさ、あんなに強い女武者が春日山を守ってくれていたとは!


心強すぎる。


おかしいと思ってたんだよね。


川中島にずっといたりさ、関東まで遠征したりさ。


留守にしてて、大丈夫なのかなってずっと思ってた」


「まつえが女武者のリーダーでな、他にも何人かいるんだ」


「ふえぇ。


うちも強くなりたいな」


「じゃ、俺が教えてやるよ」


「ありがと」


景虎と好花も武術の練習を始めた。

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