第146話 高野山からの手紙
「まつえさん、強かったな。
うちもあんな風になれるかな」
好花が言うと景虎は答える。
「あそこまでなるには、かなりの修行が必要だな。
でもさ、好花だって、かなり強くなってるよ?」
「え? そうかな?」
「そうだよ。
まず、馬に普通に乗れるし、馬で走ることもできる。これは、なかなか凄いことだよ。
あと、護身術だって身につけたやん。
人を殺したこともあるし」
「あっ、あれはっ!
たまたまというか、運が良かったというか!
うちの実力じゃないっ。
人を殺したなんて、物騒なこと言わないでよねっ。
ただ、うちを襲ってきたからやっただけで……」
「どんな状況であれ、殺れることはセンスあるよ」
2人が話していると、宇佐美定満がやってきた。
「景虎様、高野山から文が届いています」
「お、ありがとう」
定満は、景虎に文を渡し、お辞儀をし、「では、失礼いたします」と言って、出て行った。
景虎が文を広げる。
「こ、これは」
「どしたん?」
「もしかしたら、好花と同じようにタイムスリップしてきた者に会えるかもしれんぞ?」
「ええ!?」
「高野山に、好花と同じようにタイムスリップしてきたかもしらない人が現れたらしい。
その者は、暫く高野山に滞在するらしい」
「ええ!?
話聞きたいね」
「だな、高野山行くしかないな。
しかし、わざわざ遠い高野山に行くなんて、相当な理由でもなければ、皆は許してくれんだろう。
戦も終結しているわけではないからな」
「だよね。うちが未来からきたって言うのを知ってるのなんて、ほんの数人だもんね。
みんなに言うわけには、いかないし」
「どうするか……」
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