第189話 弓兵

 葛山城にて。籠城戦の真っ最中。


「丸太はもう使うな!


丸太作戦は休止だ!


弓作戦に切り替えるぞ!」


「はい!」


丸太を燃やすことで、火が使える。


葛山城は、山城で丸太は大量にあるのだが、それも無限ではない。


貴重な資源である。


籠城戦ともなれば、先を見越した判断も必要。



「弓兵ようい」


一呼吸おいている間に、弓兵たちは、弓をひく。


ひいている様子は、真剣そのもので、敵兵たちを真っ直ぐ見ている。


「放てぇ!」


長の掛け声とともに、弓兵たちは一斉に弓をひいた。


「なんとしてでも、この水の曲輪は守らなければ」


「ですね。


いま、あっちの曲輪から救援もきましたし、ひとまず、安心ですね」


「いやいや、安心してる暇なんて戦にねぇんだよ」


弓兵たちは、そう言いながらも弓をどんどんひいている。


その弓は、敵兵たちにグサグサと突き刺さる。



「いやぁ、しかし、今日は一段と寒いな。


こんなに着込んでるのに、寒すぎて、手がかじかんできた。


弓が握れねぇ」


「わかる。俺もだよ」


自分の手の温かい空気を自分の手の平にあてて、なんとかその場を耐えている。


降り続ける雪は、将兵たちの身体にまとわりつき、だんだん白くなっている。




筆者の戯言


え!?

こんなところ、雪降るん!?


と思っている方、いらっしゃるかもしれません。


それがね、降るんですよ!


この葛山城は、妙高戸隠連山国立公園の南に立地しています。


妙高戸隠連山国立公園といえば、スキー場が10箇所もあるスキー場の結集地なんですねぇ。


信濃町という町も近いんですが、信濃町は、冬季は大雪のため、高速がよく通行止めになります。


そんな、雪が降る地で、両者はどう戦うのでしょうね!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る