第93話 まさかの展開

 好花に向けられた刃を見て、景虎側の人間は、それぞれ黒装束と戦いながら、息を飲んだ。


景虎は、好花に近づこうとした。


しかし、敵が邪魔をして近づかない。


「くっ……!」


景虎の顔は絶望に満ちていた。


もうだめだ。誰もがそう思った。


その瞬間、


好花は、黒装束の刀をかわし、後ろに下がった。


そして、手に持っていた短剣を黒装束の首に刺した。


黒装束の首から血が大量に出て、その黒装束はその場に倒れ込み、動かなくなった。


「女を舐めんなよ」  


好花は、そう一言いい、刺した短剣を抜いた。


好花のほっぺたには、返り血がついていた。



景虎は、戦っていた黒装束を斬り捨て、好花のそばにきた。



「これ、おまえがやったのか?」


驚きを隠さず、ぽかーんっとしていた。



「うん。本当は手を汚したくなかったんだけど、彼が近づいてくるから殺しちゃった」


「お、おぅ。


好花、すげぇな」  


「姫様。さすがです」


いつのまにか、黒装束は全員斬られており、好花の周りに皆が集まっていた。

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