第92話 好花のピンチ

「おまえが越後からきた景虎か。


覚悟せよ」


黒装束の男が景虎と好花に向かってきた。


顔は黒いマスクのような布で覆われているので顔は認識できない。


「すまんが、覚悟はできん。


なぜなら、俺はまだ守らなければいけない人がいるからだ」


2人の斬り合いが始まった。


まるで、時代劇を見ているかのような、アクション映画を見ているかのような斬り合い。


睨み合って構えて、斬りつけて。


この繰り返しを何度も繰り返していた。



黒装束の男は、かなり強いようで、なかなか決着がつかない。



景虎がこの黒装束との決戦をしている時、好花に敵を近づけないように、守っていたのだが、ほんの一瞬、好花が1人になってしまった時があった。



その瞬間を狙ったかのように、他の黒装束が好花に刃を向けた。


「好花っ!」


景虎は、黒装束の刀を受け止めながら好花に向かって叫んだ。


景虎たちは、斬り合ってる中、景虎の緊迫した声を聞いて、かばうために走り始めた。


しかし、それは、既に遅く、誰一人かばうことはできなかった。


走り始めた時には、既に


好花の喉元、数センチに黒装束の刀の先が向かっていた。


景虎側の人間は誰もが絶望に陥った。


みんなに愛されている好花が刺される寸前なのだから。



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