第136話 講和

「景虎様ー!


今川義元様から使いがきました!


どうしますか?」


「なに!?


この戦の真っ最中に?


定満、使いの者はなんて言ってるんだ?」


「それがですね、川中島の戦いについて、仲介に来たと。


どうも、信玄が調停を申し込んでいるらしいんです」


「調停か。


では、話を聞くか。


使いの者を通せ」


「はっ!」




定満に連れられて、今川義元の使者である1人の男が景虎の目の前に姿を現した。



「お初にお目にかかります。


私、今川義元の使いの者でございます。


単刀直入に言いますと、


武田信玄様が今回の川中島の戦いは、もう終わりにしたいとのこと。



義元様に『川中島の戦いの調停をしてほしい』と信玄様から依頼がきて、今に至ります」


「ほぅ。


それで、講和条件は?」


「旭山城の破棄。


そして、井上氏、須田氏、島津氏など、信玄様に追われていた者たちの本領復帰です」


「その者たちの本領復帰をしてくれるのか。


俺は、その者たちを助けたかったからこの戦をしたわけだから、それが叶うのなら講和しよう」


「景虎様!


ご決断ありがとうございます!


では、講和ということで。


信玄様には、私たちから伝えます。


閏10月15日、両軍撤退でよろしいですか?」


「おう」




こうして、200日に及ぶ第二次川中島の戦いは終わりを告げた。








筆者の戯言


この第二次川中島の戦いは、『対陣二百日』と『妙法寺記』に記されています。


それは、謙信が到着してから撤退するまで200日近くになったからそう言われているそうです。


この対陣中には、田植えや稲刈りという農繁期がまるまる含まれていたのに、お互い大丈夫だったんですかね?


そんなに長い間、対陣しているなんて、凄いですよね。


ずーっと家に帰れないわけですからね。



私だったら、早く家に帰りたい!


って思っちゃいますね。

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