第178話 信玄!

「えええ!!!???


諏訪姫!!!???」


謎の男は、驚きを隠せない。


諏訪姫は、温泉からあがったばっかりなので、身体中から湯気がモワモワと出ているし、髪の毛は濡れている。


その様子がより、諏訪姫を美しく、色っぽくさせている。


「諏訪姫、なんでこんなところに!?」


「実は高野山にこのお二人もいて、せっかくだからって、一緒に帰っていたんです」


好花は、諏訪姫の後ろで、様子を伺っている。


「いやぁ、びっくりしたわ。


まさかいるとはな」


「私もびっくりしました。


信玄さん、一緒に帰りましょう」


「だな。


ってか、まさか、俺たちの会話聞こえてた!?」


「はい」


諏訪姫はにこにこしている。


「くっ。


恥ずかしすぎる。


なぁ、旦那。


さっき言ってた女ってのは、この目の前にいる、諏訪姫のことよ」


「そうなんですか。


ん?


ってことは、貴方、信玄って……


武田信玄!?」


「やべ。


バレちまったらしょうがないな。


内緒にしてくれよな。


バレるといろいろ大変だからさ」


「もちろんだけどさ、


いやぁ、まさか、信玄さんに会えるとは。


驚きだ」


信玄と景虎は、手ぬぐいで、体を拭き、着替えた。


「信玄さんっ。


会いたかったですっ!」


「諏訪姫っ、やめろっ、恥ずかしい。


旦那の前で、申し訳ないだろっ。こんなところを」


「いえいえ。お気になさらず。


私たちは、先に帰路へ戻りますね。


信玄さんと諏訪姫さんは、ここでもう少しゆっくりしていったらどうですか?」


「そうですよ。


2人で温泉入っちゃえば〜」


好花は、にやにやしている。


「では、私たちはこれで。


諏訪姫さん、長旅お世話になりました。


信玄さんとも会えてよかったですね」


「はい!


好花さんと景虎さんもお元気で!」


一瞬、間があり、信玄は首を傾げた。


「ん??


景虎??


なんか聞いたことある名前……」





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