第2話 目の前に上杉謙信がいた
好花(このか)は、意識を長い間失っていた。
なんとか重い瞼を開けると、天井が見えた。あれ?ここどこだろ。
布団の上に寝かされていた。あれ?さっき、春日山城にいたはずなんだけど……
寝たまま、首を動かすと1人の凛々しい男がいた。
「おぉ、気づいたか」
「あの、ここはどこなんでしょうか」
「ここは、春日山城だ」
「え?」
好花は、わけがわからなかった。春日山城は、すでに城がなくなっているわけで、こんな建物なんて、どこにもない。
そして、この1人の男。格好が武士。
まるで、戦国時代にタイムスリップしてきたような気分だ。
「なぜ、春日山城にいる。そして、そのおかしな服装はなんだ」
「おかしいのは、あなたの方です。これは、撮影か何かですか?」
「訳の分からないことを。そちが、俺の前に急に現れて倒れたからこうして寝かせてあげてるんじゃないか。
天井から落ちてきて、倒れたんだぞ?
忍者なのか?」
「助けてくれてありがとうございます。私、なんか記憶を失っているようです。
私は忍者じゃないです。
てか、この令和の時代に忍者なんているわけないでしょ。
頭いってます?」
「おい。わけわからんことを言うのも大概にしろ。
あんまりいうと、これだぞ?」
そう言って、男は好花の首に刀をつきつけた。
「ちょいちょい!
まってよ。目覚めていきなり怖いもの突きつけられるなんて、ひどすぎる。
うちは、このかって言う、ただの人間。
そんな物騒なものを持っているあなたは何者なの?」
「俺は長尾景虎だ」
「え?
長尾景虎って……」
え? 目の前の男は上杉謙信?
いや、まてまて。上杉謙信のことであるわけがない!
なぜなら、上杉謙信は令和に生きていないから!
いやでも、上杉謙信は、生涯何回か名前が変わっていて、長尾景虎という名前の時期もあったけど……
好花の頭の中は大混乱していた。
たしかにその男の胸元には、黒い円の周りに8つの黒い円が並んでいる家紋。
その9つの円には、傷のような模様がそれぞれ入っている。
九曜巴(くようともえ)と呼ばれる長尾家の家紋ではないか! と好花は思っていた。
竹に雀の家紋かと思っていたけど、この時点では、上杉家ではなく、長尾家だもんね! と解釈した。
「その家紋って……」
「あぁ。これは、長尾家の家紋だ」
上杉家の家紋のシールだったら持ってますと、好花は、言いたくなったが、我慢した。
ちなみに、上杉家の家紋シールは、お守りとして持ち歩いています。
筆者の戯言
筆者が勝手に戯言言います。
ですので、歴史なんてどうでもいいや!と言う方は、すっ飛ばしてくださいね!
長尾家の家紋、九曜巴(くようともえ)は、剣豪の宮本武蔵もこの家紋を使用していたらしいよ!!
びっくりだよね。
筆者の戯言に付き合ってくださり、ありがとうございました!
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