第114話 帰郷

 景虎は、初めての上洛で


内密に足利幕府と盟を結んだ。



今は、京から追い出されている幕府を再び盛り立てることを約束したのだった。





長旅を終え、景虎たちは春日山城に帰ってきた。


「景虎様ー! おかえりなさい♡」


春日山城に着く前に、上越の村を通るのだが、景虎たちが通る道には、長蛇の列ができていた。


みんな、景虎を一目見ようと並んでいるのだった。


「景虎様、かっこよすぎ!」


「ほんとそれよね。


眩しくて見れないくらい。


オーラが違うのよね」


「身長も高いし、筋肉もついてるし。


最高の体よね」


「いやー、景虎様にお目にかかれるなんて。


幸せが舞い込んでくるわい」


村人たちは、口々に話している。


「まるで、有名な芸能人が通るような雰囲気だね」


「好花様。当たり前じゃないですか!


景虎様は毘沙門天の生まれ変わり。


景虎ファンクラブもあるくらいなんですよ」


「え!?


実乃さん、それは凄い人気ですね」


「景虎様は、かっこいいだけじゃなく、戦も強く、お優しい。


村人たちにもとても優しくて。


義に厚い男として、大人気なんですよ」



「景虎、やるね」


好花は、ニヤリとして、景虎をこづいた。


「うるせぇ」


景虎は、照れているのを隠そうとしている。



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