第154話 上野家成

 「たぶん上野家成と下平吉長との領地争いが1番の理由なんじゃないかと思っています」


宇佐美定満がそう言うと、弥太郎は間髪入れずに聞いた。


「え? 誰その二人」


「まぁ、弥太郎くんは、人の領地争いに興味がないもんな。


君は熊と戦う方に興味がありますもんね」


「たしかにそんなこともあったな。


熊と勝負がいきなり始まって、何考えてんのこいつ。って思ったもん。


普通に熊に勝っててびびったわ」


柿崎景家がそう言うとみんな爆笑した。


「まぁ、それはおいといて。


上野家成と下平吉長についてですよね。


上野家成は、節黒城(現、魚沼郡妻有郷)の城主ですよ」


「節黒城(ふしくろじょう)って、なんか不思議な名前だな」


「それについてはですね、


急いで築いたために、とりでの木が素材のままで節が黒々と残っていたことから「節黒城」と名付けられたと言われています」


「ほほぅ」





筆者の戯言


節黒城(ふしくろじょう)について。


南北朝時代の正平7年(1352)に築城、新田一族の拠点になったと伝えられています。


戦国時代には、上杉謙信傘下の上野氏の居城になり、


大改造されて妻有地方で最大級の代表的山城となり、慶長年間まで使用されていました。



江戸時代まで使用されていたんですね!



例年、6月上旬に節黒城山開きまつりが開催され、大名行列などが行われ賑うらしいです。


まだ行ったことはありませんが。


現在は「節黒城跡展望台」が設置されており、気持ちの良い風と共に、大パノラマの景色を一望することができるとのこと。



眼下の河岸段丘に広がる美しい田園風景と大河信濃川、対岸の十日町の街なみと魚沼丘陵、そして、はるかにそびえる越後三山。


行ってみたいものです。

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