第122話 作戦会議

 景虎たちは、善光寺(現、長野県)のすぐ東側にあった横山城に本陣をおいた。


「景虎様ーっ! 


物見より報告です!


武田信玄側の人間、栗田鶴寿が旭山城に籠城したとのことです!」


「なに!?


それはまずいな」


景虎は、顔を渋らせると、弥太郎はなぜ?という顔をして


「なんでまずいん?」と聞いた。


「弥太郎くん。


なんでまずいかと言うとね、


この本陣をおいた横山城はね、旭山城から見おろされる位置にあるんだ」


「え!?


それ激ヤバじゃないですか!」


「そうなんだよ。だから、こっちの動きは武田にバレバレだし、


武田に向かって前進したら、後ろから遮断(しゃだん)される可能性大だ」


「えー。じゃあ、どうすんの」


「私に考えがあります」


「定満さん!!


なんですか!?」


皆が一斉に、宇佐美定満を見る。



「本陣は、今いる横山城におく。


この城は、捨てたくないですしね。


で、旭山城に対抗する城として、


城を作るんです!」


「城を作る!?」


みんなは、一斉に声をそろえた。


「旭山城の真北に城を作ります。


旭山城との距離、1.8キロメートルのところに」


「え!?


ちかっ!!」


「はい。だからこそ、旭山城に対抗できるんです。


お互いに牽制し合える対等の城になるのです」



「ほほぅ。


さすが軍師ですな」


みんな、川中島付近の図面を見て、納得の顔をしている。

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