第198話 梓の決心

「えええ!


なんと!


酷いことを。


そんなの、私たちが許しません」


女たちは、梓に向かって口々に言う。


「ありがとう。わかっている。


でもね、正直な話、この城は落城する。


男たちはほぼみんなやられたわ。


いま、殿たちが戦っているけど、それを突破されたら、敵兵たちがここに入ってきて、私は、斬り殺される」


女たちは、みんな泣いていた。


「私は、みんなの前で自分が斬り殺されるのが耐えられない。


だから、ここから身を投げるわ。


自分勝手でごめんね。


最後だけわがままを許して」


梓は目に涙を浮かべてみんなを見た。


「わかりました。


姫の最後の願いを聞きましょう」


女たちは、梓に駆け寄り、抱き合った。


そして、女たちが見守る中、梓は暗闇へと消えていった。

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