第170話 飲み会の続き

諏訪姫は、好花によりかかりながらも、信玄への想いを次々に話し出した。


「でもねぇ、過去の話なんだけどねぇ、


私のお父さんね、信玄に殺されちゃってるんよね」


「え!? 


それってもしかして、諏訪姫さんのお父さんの諏訪頼重(すわよりしげ)さんと武田信玄さんの戦いのことですか?」


「そうですぅ。


信玄さんのお父さんは、私の父と同盟を組んでいて、仲良しだったんです。


でも、信玄さんが信玄パパを追放しちゃってから、諏訪家と武田家の関係がおかしくなっちゃったんです。


信玄さんが諏訪家の領地に侵攻してきて……。


私の父、頼重は、信玄さんに和睦を申し込んで、承諾されたんです!


なのに、その和睦を裏切って、私の父を切腹させたんです」


「え!?


それはひどい。


約束を破る男、私は嫌いです」


「私もそう思いました。


絶対、父の仇を取ってやるって心に誓いましたもん。


武田信玄なんて、悪党だ!


人間じゃない!


って思いました」


「そんな裏切りされたら、そう思いますよね」


「はい。


でも、側室として、信玄さんの側にいるようになってから、信玄さんに惹かれていってしまい……。


父の仇を取りたいという思いでいっぱいだったのに、そんな思いが少しずつ薄れていって……。


もちろん、父のことは、大切ですし、大好きです。


ですが、今は信玄さんのことが好きだし、大切だと思ってしまっているんです」


「せ、切ないです。


父の仇だけど、一方で自分の愛する人になってしまったということですね」


「はい。


自分でも葛藤しているんです。


本当にこれでいいのか……」


「諏訪姫さん……」


こうして、まだまだ夜は終わらないのであった。








筆者の戯言


1週間以上、更新をあけてしまい、申し訳ありませんでした。


それでも、読んでくださる人がいたら、筆者は、とてもとても喜びます。


今後ともよろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る