第74話 京入り
朝日が部屋に入り、1日が始まる。
「景虎殿、お気をつけて行ってきてくださいね」
「義藤っ! 俺に任せてくれ!
この近衛晴嗣が、景虎殿をお守りするからさ!」
景虎一行の案内人として、近衛晴嗣が先導することになったのだ。
「ま、越後の鬼、鬼小島弥太郎もいることだし、大丈夫だろう」
「では、行ってくるぞ」
景虎は、義藤たちを見渡す。
「いってらっしゃい!」
京に景虎一行がつくと、景虎は思わず呟いた。
「え、これが京なのか?」
景虎がびっくりするのも無理はない。
都というキラキラとした輝かしい場所ではなく、荒れ果てた場所になっていた。
建物は至る所が壊れ、ぼろぼろだった。
人の気配も薄く、野垂れ死にそうな人もいる。
まるで、スラム街のようだった。
「応仁の乱より100年が経った今。
それほどの影響が京にあったんだね」
好花も愕然とする。
かつての華々しい都は、なくなっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます