第58話 朽木谷興聖寺

 第一次川中島の戦い、終わりましたー!


ここからは、上杉謙信が京都へ上洛し、室町幕府第13代将軍、足利義輝に会うという展開になります!


ひとまず、ここでは、足利義輝についてのお話です。




天文22年 9月


朽木谷(くつきだに)興聖寺(こうしょうじ)にて。



今で言うと、滋賀県の高島市にあるお寺です。



「御所様。ご飯ができましたよ。


お、剣の稽古ですか。


毎日毎日、欠かさずやるとは。


さすが御所様です」


御所様(足利義輝)の側近、細川藤孝(ふじたか)は、声をかける。


「毎日やることが大事なのだ。


鍛錬しないとな」


素振りをしながら、義輝は答える。


「美味しいご飯が冷めないうちに食べるか!」


「はい」










「源十郎、今日もご飯ありがとうな!


うわ、焼き魚うま!!


なんでこんなに上手く焼けるんだ?」


「御所様がそうおっしゃっていたと聞いたら、お世話係りの者も喜ぶでしょう」


「そして、このバランスの取れた食事!


さすが、源十郎だな!」


「ほんとそれ!


まじうまい!」


藤孝も、ガツガツご飯を食べている。



源十郎は、義輝の側近として、主に食事を担当している。



「琵琶湖があるこの地は、美味しい食材がたくさんあります。


今日の焼き魚の『ホンモロコ』は、小振りな身体に中に美味しさが詰まっており、一度食べると病みつきになる大変美味しい魚です」



「たしか、琵琶湖周辺でしか、姿を見せないんだよね?」


藤孝は、源十郎に聞く。


「そうです。京都ではこんな魚食べれなかったから、食べられて嬉しいです」



「たしかにな!


ここでの暮らしも悪くはないな」


と言いながら、3人は笑っていた。





なぜここに、室町幕府将軍がいるのか。


それは、同年8月の三好との戦に負けたからである。



景虎が信玄と初めての戦、川中島の戦いをしている最中、京都の都でも


同じようなことが起こっていた。


京だけでなく、日本の至る所で戦が行われていた。



そう。


室町幕府や、守護大名の上下関係が崩れ始めていたのである。



このとき


足利義輝24歳




であった。





若すぎる!!




ちなみに、このとき、景虎は


30歳



であった。

     

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