第102話 女人堂の由来③


筆者より



私の解釈が間違っていたことに気づいたので、前話(第101話)を変えました。


もう一度、101話を読んでから、この102話を読んでください。


お手数をおかけします。



申し訳ありません!!!





     






「なにしてるんだ」


運悪く、ちょうど父が帰ってきてしまったのだった。



「俺は誰がきても出てくるなと言ったはずだぞ?


親の顔に泥を塗るなんて最低だ」



「待ってください。


私が悪いんです。



この子は、何も悪くない」


小杉の母は、必死で弁明する。



「この子は、何も悪くない。


俺が一目、会いたいって言ったから、渋々きてくれたんです」



小杉の母や、幸作の言い訳を聞かずに、


父は泣いている小杉を峠の頂上へと無理やり連れて行った。


下は、何百メートルの崖になっていて、落ちたら絶対に死ぬ。




「お殿様は、結婚するまで、誰にも会わせるなと言っていた。



しかし、おまえは、それを破った。



親の泥に顔を塗ったおまえは、罰を受けるべきだ」



怒りを露わにしたまま、父は刀の鞘をはらった。


 小杉の髪は乱れ、青ざめた顔を涙でぬらしていた。



「お父さん、ごめんなさい」



小杉は手を合わせ必死に許しを乞うたが……。



父は、刀を小杉に向かって振り下ろした。



風が鳴り、雪の塊が小杉に向かってちょうど転がってきた。


その塊は、小杉の姿を呑んで小杉とともに崖へと落ちていった。


 

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