第14話 結婚

「俺、決めた」


「何をですか?」


「好花と結婚する」


「えええ!!!」


一同が驚きの声をあげる。


もちろん、好花もだ。


好花は、二重でくりくりの目をパチクリさせている。


本庄実乃が慌てて聞く。

「景虎様、急にどうしたのですか?」


弥太郎も目を丸くしている。

「そうだよん。いくら、好花ちゃんが可愛いからって、急すぎますよぅ」


「俺は、好花が天井から降ってきて、目の前に現れた瞬間からビビッと感じたのだ。毘沙門天が俺の前に現れた時と同じように」



毘沙門天という偉大な神と私を一緒にするなよ! と好花は突っ込みたくなった。いや、心の中で突っ込んだ。


「好花はどうだ? 俺と結婚は嫌か?」


いやいや、勝手に決めすぎだろ! って言いたいところなんだけど、憧れの謙信と一緒に暮らすのもありだよな?


好きな人からだったら、これくらい強引でも嬉しいものなんだよな。不思議に。


「私でよければ、よろしくお願いします」


好花は、言ってしまった。


こうして、こうも簡単に好花は謙信と結婚してしまったのだった。

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