第195話 奮戦

 葛山城にて。


葛山城は、それぞれの曲輪やら門やらいろんな箇所をグループごとに守っている。


そのグループのリーダーたちに、落合からの伝言がそれぞれ入る。


「これから、狼煙があがるとともに、小田切さんたちが敵兵たちのところに乗り込み、戦いが始まる。


俺たちは、城を絶対に落城させないように守るんだ。


小田切さんたちと、俺たちで敵兵を挟み撃ちにする作戦だ!」


「承知しました!」


「お前たちの頑張りがこの戦の勝敗を決める。


頼んだぞ? と落合さんがおっしゃっていました」


「おうよ!」


リーダーたちは、各々、持ち場で奮戦している。










 小田切勢から、狼煙があがった。


あがった瞬間に、小田切勢は、大量の弓の雨を敵兵に降らせた。


弓雨のあとは、「いくぞー!」の掛け声とともに、敵兵に勢いよく突っ込んでいった。


足軽たちは、槍で奮戦。


馬上にいる人たちは、でかい槍や刀で奮戦している。



葛山城にいる人々も、絶対に侵入は許すまじと、必死になって、奮戦している。


しかし、葛山城の人々は、小田切さんが来る前から籠城戦をしているので、疲れ気味だ。


でも、その疲れを吹っ飛ばすように、お互いに激を入れて、戦っている。



 



小田切勢の奮戦は、すごかった。


かなりの敵兵を倒していた。


葛山城は、水の手曲輪が落ちそうで、ほぼ落城寸前だったのに、それを持ち堪えさせた。



しかし。



馬場を率いる敵兵は圧倒的に数が多過ぎた。














こんな声が響いた。


「水の手曲輪がやられたぞ」


その言葉に葛山城の人たちは動揺を隠せない。


「え。


水の手曲輪がやられたら、終わりじゃん」


悪い噂はすぐに広がるものだ。


葛山城の覇気が一気になくなっていくのを落合は感じた。


「水の手が断ち切られたか。


まずいことになったな」


落合は、呟いた。


それに追い討ちをかけるように、葛山城に火がうつった。


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