第208話 帰宅
長尾軍は、川中島から退散し、春日山城へ戻ってきた。
「景虎様っ!
おかえりなさいっ!」
声を合わせて言ったのは、村の人々。
景虎たちの帰りを首を長くして待っていたようで、景虎たちの姿を見ると、走って駆け寄ってきて、野菜やらお米やらを、戻ってきた兵たちに配りながら、温かい言葉をかけている。
なんて、あったかい村なんだ。
と好花は思った。
「みんな!
いつもいつもありがとう!
みんなが育ててくれたおかげで、俺たちも食べていけている。
生かしてくれてありがとうな!」
景虎が言うと、村の人々はこう言った。
「いやいや!
何を言ってるんですか!
景虎様方のおかげで、私たちは平和に暮らせているんです。
いつも守ってくださってありがとうございます」
みんなは深々と頭を下げた。
「この村にいる全員が、それぞれ働いてくれているからこそ、みんなが生きていけているんだよな!
お互い様だ!!」
景虎の言葉にみんなは目をうるうるさせて、景虎を見つめている。
景虎は、スター性があるというか、話がうまいというか、
とにかく他の人よりもいろんな面で才能があるんだな、と好花は聞いていて思った。
越後の龍上杉謙信と戦国時代をこよなく愛する女の物語 みお @mioyukawada
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