【簡単なあらすじ】
ジャンル:歴史、タイムスリップ
大学で上杉謙信の城である春日山城を研究していた主人公は、その日も春日山城へ向かっていた。しかし途中で突然声をかけられ、何かの演出だと思っていたが刺されてしまう。気づいたらタイムスリップしていて……?!
【物語の始まりは】
主人公が死ぬところから始まっていく。
主人公は戦国武将が大好きであり、特に新潟県上越市の戦国武将、上杉謙信オタクであった。そんな彼女は大学で上杉謙信の城である春日山城を研究。そしてよく春日山城に登るのだが、舗装された道ではなく、裏道が好きなのだ。そこには情緒を感じることができるから。そしてその日も一人で春日山城に登っていると、突然「姫! ここにいらっしゃったのですか!」と声をかけられ……?!
【舞台や世界観、方向性】
過去にタイムスリップして転生。
主人公は元よりそうであるが、この物語では上杉謙信の話し方が現代風であるので、言葉が分かり辛いということはないと思われる。
オタク感を表現している作品。作者自体も歴史物が好きだということが、話ごとの最後に加えられた筆者の戯言から伝わって来る。
【主人公と登場人物について】
一人でいつものように春日山城に登っていたところ、コスプレでもしているのか? と思うようないで立ちの人に声をかけられた。主人公はそれをおもてなしと思っていたら、何故か刺されてしまう。そこで意識は途切れた。
その後目が覚めたら春日山城に居たのだが、天井から落ちてきたということや服装のせいで、ことあるごとに忍者なのか? と問われる展開に!
【物語について】
現実に居たはずなのに、刺されて意識を失い死んだと思ったら、別の場所で目が覚める。過去に転生というスタイルなのだろうか。
目を覚ますと主人公は、今は存在していないはずの春日山城におり、助けてくれた人物は長尾景虎と名乗った。つまり令和の時代には生きていないはずの
上杉謙信である。主人公はこの時点ではまだ自分がタイムスリップしたことは信じ切れてはいないようだが、持ち前の明るさで彼と打ち解けていく。彼の人となりは参考文献によって作られているのか、こういう性格であったのかまでは分からないが、とても気さくで明るく少なくとも彼女に対しては懐の広い人物として描かれており、家臣にも好かれている。全体的に明るい雰囲気を持った物語。果たして主人公はこの先どのような体験をしていくのであろうか?
【良い点(箇条書き)】
・作者の好きが存分に伝わって来る。
・実在か架空か分からない人物も登場する。定かではない人が歴史物を舞台とした小説に出てくるのはなかなか斬新だと感じる。そしてその人物が何故、実在したのかわからないのかという理由についても補足がある。
・斬新なスタイルの物語。主人公自身の心情でオタク度が分かるのではなく、作者自身のオタク度の分かる描き方というのは珍しいスタイルだと感じた。
・作者の願望を具現化しているような作品であり、とても素敵だなと感じる。小説とは夢を描くもの。正にそんな作品である。
・歴史物好きというと、文も古めかしく分かり辛い書き方をするイメージを持つが、この作品は会話などが現代風なのでとても親しみやすい。イメージを覆す作品だなと感じた。
【備考(補足)】十話まで拝読
【見どころ】
この物語の一番の特徴は、過去にタイムスリップするのだが会話が現代風なことである。登場人物についても現代風に解説されており、歴史物を読むような堅苦しさがない。初めのうちは現代風の言葉で話す歴史的人物に違和感を持つが、慣れてくると分かりやすさが際立つ。作者の上杉謙信好き、歴史物好きの伝わって来る作品であり、それをいかに色んな人へ読んでもらうか工夫を凝らした作品でもあると感じた。
歴史物好きな方というのは、その時代の言葉も隙だったりするものだ。拘りなどもあるだろう。しかしその拘りは、自分のものであって万民に受け入れられるものとは限らない。事実古文が苦手という人も多いはず。だが現代風の言葉であれば予め知識がなくとも、理解しやすく親しみやすいもの。そういう意味でも、この物語は魅力が伝わりやすく、分かりやすい物語となっている。歴史に疎くても、古文が苦手でも楽しめる作品だ。
あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか?
作者の上杉謙信への愛の詰まった作品。おススメです。
長尾景虎――のちの上杉謙信という戦国武将を知っていますか。
この国の戦国時代を代表する武将であり、川中島というところで、武田信玄という戦国武将と一大決戦をした(しかも何度も)武将です。
よく知られている外見は、白い頭巾をして(出家しているので)、厳しい顔をした、いかにも「戦国武将!」という感じの壮年の男です。
……が。
そんなことはさておき、本作は、長尾景虎=上杉謙信のイイ男っぷりを、そして部下の武将たちのイイ男っぷりを、余すところなく描き、ヒロイン・好花(このか)と共に、景虎たちとワイワイやって、仲良くなっている気分にさせてくれる名作です!
フツーの歴史物ではあまり使われないカタカナとかもガンガン使い、それがまた、読者さまの読みやすさ、親しみやすさを作ってくれています。
それでいて、キチッと史実を押さえているところが凄いなぁと思います。
さっき書きましたが、読んでいるうちに、つい自分も「景虎さま、今度釣り行きます?」「おっ、いいな! 行く行く!」……とか、長尾景虎とおしゃべりしているような、ワイワイやっているような……そんな気分にさせてくれる逸品です。
是非、ご一読を。
作品名で、内容があまり予想出来なかったが、読んで納得。
主人公がまず可愛い。
又、物語も面白く、読み易い。
1話がしっかり作り込まれ、戦国時代にそれほど知識が無い人にも十分に楽しめる作品となっている。
自分はゲームや趣味で戦国時代に詳しいが、それでも知らない話があったりする為、戦国時代の勉強にもなる為、貴重な作品だ。
戦国時代は、どうしても三英傑(織田信長、豊臣秀吉、徳川家康)に焦点が当てられがちだが、今作は、作品名にもなっている通り、上杉謙信がメインキャストである為、三英傑を読み慣れた人々には、新たな面白さが見出されるかもしれない。
1話読むと、次。
もう1話読破すると、次へ。
といった感じで、展開への期待が読み進める毎に膨らんでいく。
書籍化した場合は、是非、購入したい。
挿絵で登場人物達を見たい。
私から 作者さまへのメッセージ(一部抜粋)
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この話を楽しむなら、
上杉謙信のことを勉強しなきゃだめだ!と
本気で思っているので、
参考文献として載っているものを一冊でも読んだら、
読み進めようと思っています。
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作者さまから 私への返信
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私のモットーは、
上杉謙信をあまり知らない人に、好きになってもらう。なので、逆に参考文献読まないで、どーんと読みにきてほしいです!笑
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この物語の面白さを伝えるには、
このやりとりをそのまま記載するのが良いと思いました。
どーんと読んでほしいです!