四谷軒

平安朝のような世界の中で。 その陰陽師はいた――鬼の陰陽師が。 「鬼」で「陰陽師」というところが、凄いですね。 相反する要素のような印象がありますが、鬼だからこそ、いろいろと力があ…続きを読む

31もアイスがあるなんて……17ならまぁ何とか……と思っているあなたへ。 それ、法則になっているみたいです。 そんなんやったら31よりも17の方がウケるはずやんけ！　なんでや！　……続きを読む

突然、異世界へと召喚された青年。これだけ聞くと、そこから何らかの知識や技術で、異世界を救う、変えるなどといった冒険譚を想像されるかもしれません。 でも、この物語はちがいます。 何も…続きを読む

この国の文学史上、燦然と輝く女性がいます。 そう、紫式部です。 彼女はいったいどんな女性だったのか。 その実態が今ここに！ って、え？ 誰これ？ ……なんて思ってはいけません。 い…続きを読む

足利尊氏がまだ高氏であり、鎌倉幕府――執権北条氏の時代の、末期。 お話はそこから始まります。 非常にわかりづらい時代ですが（幕府のあり方や、有力御家人の足利家のポジションなど）、…続きを読む

平安女子という時点で、雅な雰囲気で、和歌を交わし合って……というお話を想像するかもしれません。 でもこのお話はちがいます。 姫君や女房たちが、遠慮会釈ない直截的な発言をしたり、ある…続きを読む

おじさんといっても、そこらにいるおじさんではない。本当に親戚の伯父さんである。 そんなおじさんが悪の幹部であり、しかも「ぼく」の家に現れる。 こいつは事件だ、何か起こるに相違ない……続きを読む

異世界とは不思議な世界ですが、このお話の世界は特に不思議です。 人の世界を飲み込む森林があり、精霊がいる。 そして精霊を見ることができる人がいる。 しかし魔法や勇者は出てきません。…続きを読む

徳川ではなく、織田が始めた幕府があって――その幕府の治政の中で、快男児たちが出会い、つながり、さながら三国志の桃園結義のような、あるいは三銃士のワンフォーオール・オールフォーワンの…続きを読む

安国寺恵瓊という禅僧がいます。安芸武田家という守護の家柄の禅僧ですが、毛利元就に見出され、毛利家の外交僧となった人です。 そして織田信長の最期を予見し、豊臣秀吉の台頭を予言したと伝…続きを読む

これは、何の物語か――そう問われれば、戦国時代の関東の物語である、滝野の物語であると答えるべきでしょうけど、やはりここは、あの時代を生きる人たちの、息づかいが聞こえる物語と答えたい…続きを読む

リュリュエルという凄い天使が出てきます。失礼、天使見習いの天使が出てきます。 彼／彼女は凄い！　両性具有だし格好がスケスケだし、何より言動が破天荒！ 勇者や武闘家といった、ファンタ…続きを読む

あの夜、あの時のあの人と、あの人の挿話です。 ……これだけだと何が何だかわからないと思いますが、読んでみると「あっ」と思えます。 これ以上は、たとえネタバレ設定したとしても、言えま…続きを読む

知っているはずの歴史が、どう転ぶのかわからないファクターをかかえた瞬間、それは目の離せないものになり……。 かつてこの国に「狂」が唱えられ、幕府という仕組みが壊された時代があって…続きを読む

それは――異世界でありながら、まるでこの国のような国で、開国していて、それでいて異世界であるので、エルフが訪れていたりして――そんな舞台で、まるで江戸のような街で、悪党がのさばって…続きを読む

自分の街や国、あるいはこの世界について「？」と思ったことはありませんか。そして、特に何もという思考停止をしたことはありませんか。 この物語は、あなたがその「？」を考えてみたらどうな…続きを読む

主人公・小六は天才忍者である。ひょんなことから異世界に渡ることになったが、その異能――忍術で活躍はするが、それを隠す……だって、「忍」者だし。 いや、そこは堂々と、あるいは目立っ…続きを読む

本作は技術――特にモータースポーツという、ある意味近現代のテクノロジーの精髄を軸に、「架空」の、それでいて「あってもおかしくない」歴史舞台の中で、ストーリーが進行していきます。 歴…続きを読む

そんな風に言いたくなる物語。人間誰しもが経験したことがある、ある生理現象から脱し、飛びたいという心理――それが如実に描かれています。 もう何もかもどうでもいい、飛びたい、いやむしろ…続きを読む

これは、銀輪──自転車のレースに打ち込む、この国の若者たちが、やがて自転車レースの金の賞──ツール・ド・フランスへと駆ける物語です。 しのぎを削る自転車レースだけでなく、ヨーロッ…続きを読む

そういうシチュエーションで、現実面で生じるさまざまなこと（お金や住まいの問題）に目を向けているところ、義妹との真剣な感情のぶつかり合いを描いているところが秀逸だと思います。 ………続きを読む

タイトルどおりの明るいノリのテンポで進んでいく冒険譚ですが、バックには重低音が流れています。 ガンガンいこうぜのノリで楽しく読んでいたら、ふっと泣かされる……そんなことがあるお話で…続きを読む

異世界──それも、何かに攻められ、逃げ惑う人々のいる異世界──を旅する冒険者の少年は、旅をするために、人々のために、残酷な貴族に血を差し出す。 少年の仲間の少女はそれを目にして、己…続きを読む

月に至りたい──そう、皇帝が願ったからとされて、作られる、塔。 これは──その塔に魅せられたある男の視点を通して描かれる、塔の建築と、その至る先である月の人──姫と、彼女の語る、塔…続きを読む

マリウスという「星の人」すなわち異星人の美少女がいる。彼女は戦闘人形で、地球人のタカフミは彼女のそばにいて……彼女の「思い切りの良さ」に頭を痛めている。 何を言っているのかよく分か…続きを読む

火星、熊鹿、カレー……この一見脈絡もなく、熊鹿のような聞いたことない言葉も履いていますが、これらが渾然一体となって、カレーのような味わいになっている物語がこちらです。 まず設定から…続きを読む

序章は出雲への旅路、そして出雲での旅、神様の話――そういった話です。 釣りの話はまだですが、この出雲という土地の話を楽しみましょう。 作者の確かな知識に裏打ちされた、神様についての…続きを読む

本能寺の変は、誰もが知っています。でも、なぜ起こったのか、どうして明智光秀が裏切ったのかは、誰も知りません。 本作は、光秀に影武者として見出された僧・随風の目を通して、その「誰も知…続きを読む

大渕堂書店という、町の本屋さんがあって、昨今の本の売れ行きや、店主自身の身の上があって、閉店することになって──。 そこで繰り広げられる、大渕堂書店をめぐる人々のドラマ。 閉店とい…続きを読む

たいへん長い物語ですので、今、一番アツいところをお伝えします。 ウソのような話ですが、あの足利義輝と松永久秀が「一騎打ち」にて対決しようとしています。 あの剣豪将軍と、ナンバーワン…続きを読む

何はともあれ、最後まで読んでみて下さい。そうすると、人と人との思いやりが、相手を想う気持ちが、その命令を出した者、出された者を、そして――。

ぜひ、ご一読を。

正解は「おっぱお」です。 これが解けなかった人は、ぜひこの話を読んでみましょう。 きっとその学術的興味を満たしてくれるでしょうから。 解けた人も読んでみましょう。 きっとその冷…続きを読む

私としては、このひとことがツボにはまったので(笑)、敢えて。 そしてこのひとことが象徴するように、明るく、楽しめる作品です。 難しいことはいいません。 主人公・黒ばら王女と共にダン…続きを読む

こんな言葉やあんなこと――それ、仏教が由来です。 つまり、この世はブッダで満ちています。 ……ということを、面白おかしく、そして切れ味のある文章で教えてくれる、ついつい読んでしまう…続きを読む

これは彼女――鉄仮面が残したという戦記である（精確には覚書）。されどその彼女――鉄仮面もまた、突き放して描かれることが多く、さながら登場人物の如き描写であり、それこそが「第一級史料…続きを読む

基本的にトーク──対話形式、あるいは会話形式──で進んでいくお話です。そのトークが、面白かったり、深刻だったり、不意を打たれたり……背景を知っていると、さらに楽しめる作品です。 ぜ…続きを読む

「枕草子」の清少納言と、その仕えた相手である、中宮定子。この二人の関係、私は上司と部下というか、忠誠を尽くす尽くされる関係と思っていましたが、このお話を見て、それが変わりました。 …続きを読む

薬局って「知らない世界」という印象があります。お医者さん行って、処方せんもらって、薬をもらう場所ってイメージです。でも、その「知らない世界」には、こんなにも一生懸命に生きる人たちが…続きを読む

それも、日本選手権競輪、またの名をダービーという、この国の自転車レースの最高峰が舞台です。 といってもかまえる必要はありません。 かくいう私も競輪に詳しくありませんが、それでも充分…続きを読む

哀歓という言葉がありますが、この物語はその一語に象徴されると思います。 だが、それだけではない──深みと広がりがあります。 人間誰しも、幸福ではありえない──けれども、不幸だったか…続きを読む

宇宙人との未知との遭遇は、誰しも想像するものです。 さて、その遭遇がもし美少女の異星人で、無表情で、しかも強いと来たら、あなたはどうしますか？ そのファーストコンタクトを貴重なもの…続きを読む

作者様の別作『月の夜雨の朝 新選組藤堂平助恋物語』をベースにして歌い上げた短歌集です。 しかし、上記の別作を読んでいなくても、「新撰組」「若者」「恋」というワードで想像を広げて読ん…続きを読む

プロレス好き。農業に打ち込む毎日。特に彼氏もいないので、人は彼女を喪女と言い――。 そんな彼女が中世ヨーロッパのような世界に転生したら、しかも貴族令嬢の美女となっていました。 ………続きを読む

新撰組、藤堂平助。江戸から募られて、京で結成された新撰組の、初期からの幹部として知られる男ですが、その激しく流転する運命の中で、彼が何を想い、どう剣を振るって来たのか――。 また、…続きを読む

国王のおうちから嫁いできたパトリツィア。でも結婚相手の領主さま、ギルベルトは距離を置いている。 いわゆる「白い結婚」なのかなと思いきや、そうでもなく、二人の結婚、そして子どもは望ま…続きを読む

自分の書いたものって愛着があります。それがどんな長くても、見直して、手を入れたくなる。そんな愛着があります。 その愛着は――執着といってもいいかもしれませんが^^; じゃあその執着…続きを読む