概要
その一言で、僕の人生の座標は狂った。
2002年。まだネットが“危険”と呼ばれていた時代。
僕はWinMXを通して、誰も知らない“裏の世界”に踏み込んだ。
深夜、モニタの前で
KOTOKOの曲を聞き、
ギャルゲーをプレイした。
リスクがあるかもしれない。
でも、やめられなかった。
あれは、確かに青春だった。
――あの頃、僕たちは「オタク」と呼ばれ、
社会の隅で必死に“好き”を守っていた。
そして2025年。
鬼滅の刃が国民的アニメになり、
アニソンが紅白に響く時代になった。
なぜ、こんな劇的な変化が起きたのか。
その23年間の裏側には、いつも“僕たち”がいた。
これは、地下から地上へ。
マイノリティからマジョリティへ。
オタク文化が日本を
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!接続音から始まった青春が、光の時代へ辿り着くまでのオタク年代記
夜更けの接続音から始まったこの物語は
やがて光へ至る。
それは技術史の回顧ではなく
〝好き〟という感情が
恐れや欲望、誇りや敗北を抱えながら
形を変えていった軌跡そのもの──
地下で囁かれていた熱狂は
やがて誰もが参加できる
光の広場へと解き放たれる。
匿名の闇で磨かれた知恵は
コミュニティの温度に置き換えられ
〝守るための技術〟は
〝分かち合うための場所〟へと変貌していく。
本作が美しいのは
進歩を単純な勝利として描かない点にある。
便利さの裏で失われた役割
誇りだった居場所
そしてそれでも否定されない
あの頃確かに燃えていた情熱。
時代に取り残されたのではなく
時代に抱き…続きを読む - ★★★ Excellent!!!“好き”に全力だったネット黎明期の記憶
このエッセイ、なんというか、読んでいると“あの頃”の空気がまざまざとよみがえってきて、気づけば自分までタイムスリップしている気分になりました。ピーガガガ…の接続音、深夜にこっそり検索したあのドキドキ、HDD容量とのにらめっこや、謎のファイルに一喜一憂したあの頃。
技術と「好き」という気持ちの両方に翻弄されながら、自分だけの聖域を作っていく主人公の姿が、ちょっと不器用で、でもめちゃくちゃ愛おしいんです。パソコン自作やP2P、聖地巡礼に初音ミク。大人になって忘れていた“何かに夢中になる楽しさ”や“ネットのもう一つの青春”を、懐かしい言葉たちで思い出させてくれます。
“みんなの「青春の座…続きを読む - ★★★ Excellent!!!イノベーションを起こすものは……
かつて、人々の興味を「信仰」から「科学」へと変えたのは、黒死病の存在だった。
それいらいイギリスをはじめとして、機械化が進み、人々の生活が変わる。
ベルは、遠くはなれた人間との会話を可能にし、
ワットは、ただ寝るだけだった「夜」という概念を変えた。
そしてアメリカでとある兄弟が空を飛んだ。
2001年、アメリカの貿易ビルに飛行機が衝突し、人々は世界で今、何が起きているのか興味を持ち、それで開かれたのが「インターネット」という扉だ。
2020年、疫病が蔓延。人々は外出自粛を迫られ、面と向かって話すことを禁じられた。
繋がらない電話。対応してくれない相談相手。それで生まれたのが、AIである。
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