概要
強くなることを願い、ひたすらに剣を振るい過酷な鍛錬を己に課す彼だったが、容赦なく蔑まれ虐げられる。
彼の心に、激しい憎悪が宿る。
(全員殺してやる。女は犯して殺す)
そんな業火のごとき怒りを心の奥底に隠しながら、何年もの不遇の時を過ごすエイク。
だがしかし、その過酷な環境と弛まぬ鍛錬は彼に稀有な能力を与えていた。
そんな彼の下に転機が訪れる。
ついに、その過酷な努力が報われ、襲い来る者を粉砕し蹂躙する強さを手にした彼は、それまでの鬱憤を晴らすかのように、己の目的の為に、己の欲望に従って動き始めるのだった。
これは、そんな剣聖とは呼べない男の物語である。
*第1章の前半は、世界観説明の要素が強いで
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!強くなった。でも「良く」は無い……?
決して勧善懲悪ではない、「恐ろしい」異世界ファンタジー。
主人公のエイクは王国最強と言われるガイゼイクの子でありながら、なぜか力が弱くゴブリンともまともに戦えない。
治療師と名乗る不思議な女性に出会い、エイクは変わっていく……。
序盤では、エイクが置かれる状況はあまりに辛いものであり、治療師にもどこか恐ろし気なところがあり、読者もまた辛い気持ちになるかもしれない。
だが、エイクが努力を続け、また力が弱かった「原因」に気づいたことで、彼は大きく変化する。その変化は決して良い事だけではないのだが。
きれいごとではない、どこまでも恐ろしい物語。気になった方は、ぜひ。 - ★★★ Excellent!!!運命などない。ただ力だけが、望みを叶える
少年エイクは弱い剣士だった。
狂気のような鍛錬を何年も自らに課してなお、その身に強さは得られなかった。
彼は周囲に落胆され蔑まれ虐げられていた。
それでもエイクは、強さを諦めはしなかった。
英雄と称された父。憧れの父。
徒に時間と資金を潰して鍛錬をするエイクを支えた唯一の肉親である父。
その父が死んだ。
死後、父は周囲の者たちの悪意により名誉も財産も、築いたすべてを奪われた。
エイクは父を貶めた者すべてを憎む。
父と自ら仇なす者たちすべてに復讐する。
男は殺し女は犯す。そう心に決めた。
自身を悪と断じたエイクは、父の復讐を誓い、未だ得られない強さを求め続ける。
これは狂気じみた執…続きを読む - ★★★ Excellent!!!虐げられた少年の逆転と苛烈な復讐
体内に宿るオドの力で身体強化や魔法が使える世界。
主人公は英雄の子として生まれながらオドが極端に少なく、虚弱な生を余儀なくされます。
強くなりたい、その渇望による苛烈な訓練は身を結ばない。
周りはそんな彼を嘲り、訓練と称したいじめを課し、さらには英雄である父を死後貶め、主人公からすべてを取り上げます。
絶望の中で、やがて彼は自らのオドが何者かによって奪われていたことを知り、力を取り戻したのです。
そこから始まる復讐と苛烈な暴力。
練りこまれた設定と駆け引き、手に汗握るバトル、時に差し込まれるエロス。
物語のだいご味が詰め込まれたファンタジー、是非ご一読を。