木山喬鳥

修学旅行の夜。 定番である夜の〝好きな人告白〟の内緒話。 青春物で安定した展開を持つ一幕、一場面を切り取った物語だと思っていました。 しかし──── 本作は登場人物が、みんな…続きを読む

悲劇的な始まりです。 しかし悲しみは、ないのです。 苦悩や葛藤はあっても登場する三人には 慟哭や憐憫はありません。 誰もがやるべきことを知り、贖いを引き受けます。 決心し計画…続きを読む

いままで会った嫌な人を思い出してみましょう。 まず他者を貶す人。 物事や環境の否定から入る人。 他人へ下す低評価が正当で不変だと決めつける人。 それらを声高に言い募る人。 …続きを読む

読んでいて、気持の持って行き処がないのです。 気持悪いのです※褒めています。 お笑い用語で〝天丼〟というものがあります。 同じネタを繰り返すこと、やその構成を指します。 否…続きを読む

淡々としています。 主人公は、少しも悲しんでも怖がってもいない。 自分の心身が蛇になっているのに。 そこが怖い。 視点となる、変わりゆく主人公は ただただ暮らしを続けていま…続きを読む

〝猫はその一生のうちに一度だけ、人の言葉を話すという〟 そんな不思議なお話です。 でもなぜか淡々と当たり前のように暮らしは続き、猫のハイデルベルクはずっと人の言葉を話しています。…続きを読む

ロボットに心は生じうるのか。 ロボットの心に触れた人は、なにを為すのか。 ロボットＳＦに古典からあるテーマを感じさせる上質のハートウォーミングストーリー。 アリスとロビンの互…続きを読む

ゾンビとなった人間が社会に併存する状況──── ゾンビ化は疾患として扱われる──── などなど。 最初は設定の奇異さに目がいくのですが 物語を進行させる原動力はキャラクターです …続きを読む

大昔に人がどういうふうに生きていたか。 私は、正直あんまり想像できません。 歴史モノ、時代モノ、伝奇モノ。 過去の日本を舞台とした物語を読んではじめて、なんか知った感じになるもの…続きを読む

役に立たないと思われているものが 別の見方をすれば、実は重要である。 そういう話です。たぶん。 作者の方が朝の五時に起きてする事。 それがどういうものなのか。 どんな意味がある…続きを読む

読了してないけど、レビューします。 百億点です。 もう良いんです。なんでも。 ストーリーとかもよく出来ているし。 BLなジャンルらしいですけど。 基本的に、誰で笑わせてくれます。…続きを読む

サクサク読める、親切な語り口です。
それでいて考えさせられる人間模様が散りばめられています。

日々の隙間に摂取したい、そんな良質なエッセイです。

なにかを伝えたい気持ちが表れています。 思うに〝お喋りを記す〟というのは 書き物の基本形のひとつです。 エッセイやコラムの始まりとなることです。 お手隙のときに書いて読む。 ゆ…続きを読む

生理的にキます。 冒頭の腐乱死体から嫌だけど。 まさか。腐乱と孵卵は地口なのかな。 だったら嫌な地口だなあ。←褒め言葉です。 私はずっと鬼灯亀虫の卵を連想してました。気が滅入り…続きを読む

短編ホラーとして過不足なくまとまっている話です。 サックリと読めてしまった後で、怖さがジワジワ這い寄るような嫌な読後感でした。 もちろん褒め言葉です！ 〝即、怖がりたい方〟は、…続きを読む

未開な物書き村の住人である私は、スマホのメモ帳一つだけ持って、ちまちまと 書いてはコピペ。削ってはコピペ。 こんな切り貼り執筆しかできません。 そこに、この解説文です。 たどり着…続きを読む

科学が通常起こり得ない現象を解き明かす。 事実を知ることで生まれる、人の思い。 これはまさに科学の産物と人間の物語です。 本作の主人公は、未知の現象の解明と同時に、長い間自分…続きを読む

〝混合気である空気中の各成分の分圧や濃度を変化させた〟 そう解釈する他に殺害方法を理解できない事件が頻発する。 これまでの事件との関連を知る刑事鏡堂と天宮は科学的な捜査手法の…続きを読む

誰かの作った未知の世界を手触りで冒険するワクワク感。
役割を抜けて、自分を探すキャラクター。
散りばめられた微笑ましいやりとり。

どれもこれも────
面白かっこいいぜ！

ひとネタで、ひと笑いとる。
潔いコメディ。

タイトルに惹かれた方は、
なにも考えず、喫してみてください。
楽しめますよ！

感性豊かな言葉で紡がれた美しい物語。 科学と空想が、奥深い精神世界を紡ぎだす。 星霊を視覚化し、交信する力を持つ少年宙太。その姉星恋の失踪から物語は始まり思いもよらない展開を…続きを読む

ＳＦなんです。本作は。 主人公は、カプセルから出てくるし。 謎が謎を呼ぶし。 でもそんなことより、最初の数話。 主人公がフリチンなのが、スゴい面白いッ！ メイン武器が石と木の棒…続きを読む

名言は一箱のマッチに似ている。 重大に扱うのはばかばかしい、重大に扱わねば危険である。 名言はズルい。 まず紹介される際には「名言」という題目がつく。 そして、誰それ某と…続きを読む

文章が読みやすく、脇道にそれることもない話運び。 オーソドックスな異種族転生ながら、飽きることもなくスイスイと読み進められます。 やっばり、種族進化って眺めていて気持ちいいです…続きを読む

単純に大痛快。大正解な物語。 世にはびこる悪。 力なき者たちを虐げる悪者を、義侠の徒、朱峩が豪快無類に叩きのめす。 守るべき美姫は公女、伽弥。 守りし侠者は〝武絶〟朱峩。 …続きを読む

ほんとうに驚きました。 必要最小限の道具立てで作られた精緻な物語です。 並んだ語の拍子も整い、流々と情景が重なり物語は進みます。 彩色影絵のような場面が思い浮かぶなかで、姫と狩…続きを読む

〝そうとしか生きようのない〟 行き着いた人の物語です。 作品の区分としては、ホラーなのでしょう。 しかし私には哀切溢れる物語として映りました。 多くの方に見ていただきたい作品で…続きを読む

悲観的なタイトルと冒頭から、読み進めるうちに転調していく話運びが巧みです。 アーサー・Ｃ・クラークの「太陽系最後の日」を彷彿とさせるオールドスタイルSFの良質な詩情を持つ物語は読…続きを読む

美しい織物のように多種多様な人物群が活写されていて、目まぐるしく活躍します。 読んでいて、飽きる暇がありません。 いっそ〝わちゃわちゃ〟と評したくなるほどに、絡むキャラクターた…続きを読む

日常から乖離した現象を、実証主義を旨とする警察が追う。 その矛盾。 現象は常に科学的解説がなされる。 しかし現象を起こした手段は解き明かせない。行き詰まる捜査。 〝あり得ない〟…続きを読む

散在していた事件を繋ぐと、徐々に見えてくる怪異の立ち起こる理由。 物語のなかで人の感情の行き違いは広がり、憎悪は重なる。 その歪な思いは、やがて取り返しのつかない事態へと繋がっ…続きを読む

怪異は孤ならず、必ず隣あり。 人の恨みは更なる禍根となり、新たな怪異を呼び覚ます。 連鎖する死と謎。 鬼哭の声に導かれ二人の刑事、鏡堂と天宮の捜査は更なる魔境へと続く。 鏡堂…続きを読む

この宇宙の構成に生命は何%を占めるのだろう？ 不死の存在とは宇宙の生々流転の環を外れた生き物なのだろうか？ 本編の記述から、大きく空想が広がります。 不死者が宇宙に行くというだ…続きを読む

ストレスなしで、異世界生活。 憧れます。 至れり尽くせりの装備環境。 特に野心もなさそうな、善良そうな 主人公が、世間の義務やしがらみもなく、ただのんびり暮らす異世界。 最高です。…続きを読む

犯人としかみなせない人物を犯人として立証できないもどかしさが、最後に別の角度から断罪される瞬間で霧消します。 鏡堂、天宮バディの関係性の進展と新たなキャラクターにさらなる期待が増…続きを読む

現代日本人。それも一定の工業技術力を有する集団の転移状況で、もしも協力体制が敷かれたら？ これだけでワクワクしますよね？ 〝巨人肩の上に立つ〟と称される現代社会の持つ蓄積された…続きを読む

わかっています。BLさんですよね？ 非生物の情交とか基礎履修ですよね。 ともあれ。 過程や真実がなんであっても。 愛情には変わりがないという話は、胸に来るものがあります。 良い…続きを読む

むやみに面白いです。 でもなんで面白いかは、よくわからないのです。 たぶんですが。 筆者の他人事みたいな穏やかな客観視で自分事を淡々と綴る語り口が巧く。 その拍子が良い余韻を出し…続きを読む

どういう発想でそこに至るのか、まったく分からない。静かに奇妙な状況。

でも読むとの納得する理屈の通るストーリー運びに、いつの間にか楽しくだまされる感覚。
不思議と心地良いです。

とても読みやすく、面白い物語りです。 それは読み物には当たり前に求められることなのだけど、実現するのは簡単なことではないと思います。感心しきりです。 警察モノの特徴の一つである…続きを読む

理解が追いつく暇もなく流れるように結末まで辿り着きます。
筆勢があり、楽しい物語です。

何も特別な道具立てがなくても機縁だけで物語を組み立てられる筆力が素晴らしいです。

さらっと読めて読んでいる時に楽しく、嫌な気分にもならない。
良い作品です。

姿形が人間と同じで、生き物としてのライフサイクルの環の長さが違う存在。その異物と接する人間。 奇異な設定であっても、物語は人間の関わりから生じるのだと実感できます。 これからの物…続きを読む

タイトルからは想像できないストーリー。題材の割に重さや暗さのほとんどない語り口が軽妙です。
そして大オチで、いきなり加重。

良くできた短篇です。楽しめました。

１話の〝ジャン=クロード・ヴァン・ダム〟だけで星一億個なので、語ることはないのですが。 あえて、蛇足覚悟で語るならば。 創作論は、私などでも頷く点の多い有用な見解です。 多くの人…続きを読む

読みやすい語り口で展開する群像活劇？
題材の重さとは裏腹にストーリーラインは軽快です。
楽しめました。

人は、失われた感覚を補完するように別の感覚が鋭敏になるそうです。 反響定位などが有名ですね。 本作でも、事物を聴きとることに長けた女性がでてきます。 その取得情報と気遣いのやり取…続きを読む