木山喬鳥

助けを求める娘の訴えに応じて、人影なき村の破れ寺に赴く武士あり。 人外の化生により村人の悉くを殺されたのだと娘は言う。 果たして寺には怪しい女が奇怪な様にて襲い来る。 しかし、…続きを読む

チャッピーが拾った骨を巡る話です。 その骨はよく見ると──── 読んでいて今迄見えていた日本の日常的な風景がグニャリと歪みます。 ここは、そういう場所だったのかと思わされます…続きを読む

記憶の中の人々は変わらずそこにいて 在りし日の姿と声で語りかけます。 本作を読んでいると、思い出や追慕について考えてしまいます。 来し方にある思い出は、心の経てきた道程である…続きを読む

不老不死な少女と出会った少年は共に生きることを彼女に伝える。
長い年月が経ち、予期した日を迎えた彼女は────
生き方と出会いと終え方の物語です。
ぜひご一読ください。

壮大な規模で始まる人類への最後通牒。 そしてメッセージによって引き起こされた事柄──── 果たしてメッセージの通り人類は滅亡してしまうのか！？ 衝撃の結末をぜひ、ご一読くださ…続きを読む

豊かさや尊敬や悦楽や安寧。知識や技能、体力、およそ人の望むすべては外側にあります。 しかしそれを幾つ纏う事が出来ても、中の人それ自体が幸せと感じなければ何ひとつ持ち無い事と同じ…続きを読む

まず目次を見てください。 外宇宙より飛来した敵性生物との戦いを描いた本作。 物語の大半が、個人を描きます。 こんな構成、ありますか？ 凡百な作品なら謎の組織だの、万能戦艦だの人…続きを読む

完全な主観の物語が二編。 読み終えるとひとつの事実が浮かびます。 どちらの話にも経緯も詳細も状況も、 確りとは、わかりません。 わかるのは、二人の登場人物が互いをどう思っていた…続きを読む

花は毎年同じ季節に咲くのです。 時期を告げる美しい理です。 「男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます」 という一節のある川端康成（※状況は真逆です）の小説が…続きを読む

二人は同じ家に住む。戦争でアルバートは下肢の機能を、オリバーは右眼を失った。 失ったものはそれだけではない。 アルバートの恋人であり、オリバーの友人であるケイティは爆撃により亡く…続きを読む

公共放送局の短波ラヂオ番組のＤＪ猫田猫の回しで紹介されるという体の短歌 これが全て狂体マシマシの狂歌です。 加えて猫田さんは社会悪です。鼻持ちならない選民意識のゲスです。 そん…続きを読む

みんなレビューを書けます。 小説を読めた人は、みんなです。 上手くても、下手でも良いのです。 心から出た言葉は、どれもりっぱなのですから。 さあ。あなたも、良い作品をみつけたな…続きを読む

本人にさえも知らされない選別法により極秘裏に未来を知る能力を見出された少年〝榑枚季典〟 予知により彼を知ったもう一人の予言能力者の少女〝新符遥〟と彼が出会い────そして物語は動…続きを読む

単純明快に面白いです。 水滸伝には疎いのですが、全く問題無く楽しんでいます。 面白さのツボが明快で文章も読みやすく、 展開も滞りなくどんどん読めます。 会話も軽妙で、時にコミカ…続きを読む

時は未来、所は火星都市ＥＤ。 連続同心殺しの下手人〝斬一倍〟を狩るためにお上が差し向けたのは、市井の裏稼業。他人様を仏にする始末屋〝火車〟の面々であった。 果たして、始末屋である…続きを読む

福原もも子は、拾った猫を飼い主のもとに返すことになった。 その時、猫を自分と同じ呼び名で呼ぶ飼い主と会い、そして知る。 飼い主の少女の父親は、もも子の学生時代の友人、渡邉だった。…続きを読む

セルナストの国王と側近に家族もろとも故郷の村人の全てを殺され、唯一生き残った少年レクロマ。 四肢さえ動かない失意と絶望のなか、怨嗟と憎悪に塗れ、ただ生きながらえるだけだった少年…続きを読む

密室犯罪は物理的な構成要素よりむしろ 該当者の心理の焦点をずらす事柄が多いように思われます。 なので、物語のなかで密室が出て、そこで犯罪が行われた場合──── 扉は閉まってい…続きを読む

だから騙されます。 嘘吐かれるにきまってます、そんなもの。 主人公、カモなんですから。 でも大丈夫、無敵なので。 それと、もう一人。魔王。 苦労人の魔王がいい味を出しています。…続きを読む

調理の手順というものは、材料に手を加える順序とも言えます。 なので材料と調理方の名称を並べるだけでさえ、それは詩になりえます。 単純で明快です。 しかし本作品を読むまで、私は気…続きを読む

本作は、〝現代知識チート転生のテンプレ〟を風刺したコメディ、だと思います。 主人公は転生先で転生前の知識を用いて無双しようとするのですが、その目論見はうまくいきません。 それは…続きを読む

自作の恋愛小説が国語の入試問題に選ばれた小説家がその問題文を読むうちに、ある事実を知る。 本作は、そこから始まります。 問題文の中では、作者本人の書いたはずのない内容が読み取…続きを読む

面白い物語です。 でもその前にまず作者の紹介から始めしょうか。はい、始めます。 成野淳司さんこと〝令和のドタンバさん〟がこの物語の作者です。 幼少期より数多の小さなピンチをく…続きを読む

出張での食べ歩きを楽しみにする男が出会う、絶品料理。 それを口にした男に降りかかる出来事とは？ 〝孤独のグルメ不条理版〟とでも言うべき物語。 なんだかよくわからないけど美味し…続きを読む

とか言ってますけど。 本質的にはキャラクターどうしや保護者と子供がわちゃわちゃ、絡んだり甘えたりするキャラ話です。 微笑ましいですよ！ しかし。 意外かもしれませんが本作は構造…続きを読む

執筆に関わる話が幾つも展開されています。 ことに校正や校閲についての言及が興味深いです。 私にとって校正とは単に読解時のノイズを減らすための作業なのです。 しかし、本作の筆者…続きを読む

王命により跳ね返り令嬢のアデライド・レイン伯爵令嬢が嫁いだ辺境伯ヘンリ・フォン・オルデンブルクはマッチョゴリラと呼ばれる無骨者。 でも！実は心優しく真面目な仔犬系伴侶？ 互いを思…続きを読む

驚異のシステムです。本作は──── 『【悲報】ポエミーくん、女子にだまされ対魔部隊に入る。サラリーマンのポエム生活は一転、魔物討伐に。そして詩人は最強へ ←本人望んでない　　⌘…続きを読む

もう、思い出の中にしかいない人。 たくさん抱えた思いの丈に比べて、僅かな関わりしか持てなかった人。 どうにもならないこと。 人生の前方には、ないこと。 本作は、そんな追憶の物…続きを読む

という訳で。 美少女である神宮寺リネお嬢様が探偵役をやりたがり、事件らしきものを、解決しちゃうんですよ。 ええ。それは、そうなんですけどね。 この神宮寺リネという不思議な美少女…続きを読む

怪談は論理展開をするのに、その根本が非論理的なのが、もう怖い。 考えると訳がわからない。 謎なのが、怖い。 怪談を語り作家として名を成した主人公の遭遇する災難の話、です。 でも…続きを読む

何故この密度で過去が語れるのか？ あたかも、いま見聞きしているようなリアルがあります。 ルポルタージュを読むような、そんな感覚。 本作では作者の体験した昭和の日本での幼少期から…続きを読む

先ず冒頭のおとぎ話は大切です。覚えましょう。 あとタイトルも忘れずに。 準備はこれだけ。用意は良いですか？ あとは頭を空にして物語に連れて行ってもらいましょう！ ワクワクする冒…続きを読む

架空戦記です。 ただしサッカーのです。 私、このジャンルに初めて接した為にかなり驚きました。 新鮮な事柄ばかりで読み進めて、最後に ああ架空戦記であり、とあるＳＦのジャンルだった…続きを読む

喋るし、呼んだら来てくれるゴミ箱の話なんです。 それはそれで良いのです。 要点は作中にサラリと書いてある 〝　ストレスを捨てた。 「リラックスできるといいね」　〟 ここがス…続きを読む

南の海に浮かぶ小さな島。 その岬にある朽ちかけた木造の小屋から夜な夜な歌が聞こえるという。 そんな舞台で物語は始まります。 主人公はその島で喫茶店を営む女性、美沙子。 彼女は幼い…続きを読む

生贄と言っても殺されるとかないんで。 ただそこにいれば良い的な話なんで。 なんか世界が壊れるのを防ぐために結界が必要で。 それを維持するために、誰かをそこに入れとかないとなダメ…続きを読む

言葉は日々増加します。 試しに思いついた音を重ねて検索してみたら良いのです。 〝さぐ〟なり〝ぴろ〟なり、ほとんど何らかの答えが返ってきます。 でもそれは何？ だからつまり何？ …続きを読む

読むうちに、作中での現実と創作の境が曖昧になります。　 その構成が巧みな上に、物語の進行に従って忌避感や恐怖感が段階的に引き上がることや状況を理解する際の描写が明瞭で読みやすくて嫌…続きを読む

で、タイトルが〝からだコレクター〟 こんなのもうシリアル・キラーの告白じゃないですか？ さにあらずです。 自分の身体から分離した組織を保管しておりました。という癖です。 そういう…続きを読む

初めて接する類の作品です。 労働歌ってあるじゃないですか？ アレの執筆版かな？　たぶん。 しかし。書きながら歌うのでしょうか？ 楽しい。最高ですね！ 私はムリだけど。 小説を読…続きを読む

書き始めること。 書こうと決めたとき。 どんな作家であろうと書き始めた瞬間があるはずです。 いま作品を書いている方はその時の気持を憶えてるでしょうか？ ちなみに、私は憶えていませ…続きを読む

日常→非日常へ移行していく類のＳＦです。 どこかユーモラスな雰囲気で楽しく読めます。 変化していく〝存在〟も奇妙ですが、 作中の登場キャラクターの誰もが、この事態をそれほど重要視…続きを読む

本作は『鏡堂達哉怪異事件簿』シリーズに登場するキャラクターのスピンオフ作品でありながらも、当物語だけで充分成立しています。楽しめます。 様々なジャンルを集めた短編集としても読める…続きを読む

時間停止ＳＦの物語なのです。 物語の構成も正当。 主人公広渡義則の置かれた状況、物語の兆しから発動時の状況描写と主人公の心理描写まで描写が丁寧でスゴくわかり易い。 ユーモラスで…続きを読む

すみません。〝一言紹介〟軽い口調で書いてしまいました。 本作は本当に真っ当な親子の関係性と心情を綴っています。 どう関わっても親子関係という血縁からは逃れられないという。 血の…続きを読む

伴侶の死により、制作活動の停滞した小説家の健一は、ＡＩによる文章の作成支援による制作を模索していた。 しかし実際に彼を動かしたのは、若き日に自分が記した未発表の原稿。それは文章…続きを読む

魅力的なキャラクター達が織りなす 軽妙な会話とアクション。 深窓の令嬢な感じの遠山椿の佇む場所。 そこには、三人の死体が転がっていた。 彼女の両親と姉、だという。 状況的に殺…続きを読む

山田風太郎が山田風太郎になる前に、心情をそのまま吐露した文章。 それは、後に戦後最大級の大衆娯楽作家となった同氏の文章、思惟、嗜好に連なります。 本作には「戦中派不戦日記」に…続きを読む

シャンプーとコンディショナーを混ぜてしまったモノで洗髪した女子高生、今川友香が、授業中に居眠りしてしまったら──── 粟津の戦いで落ち延びる最中の巴御前の中に意識だけ入っていま…続きを読む