概要
大きな葛籠はお化けの葛籠。小さな葛籠も、お化けの葛籠。
葛籠を開ければ、百鬼夜行が練り歩く。
欲張って貰った大きな葛籠も、遠慮がちに
受け取った小さな葛籠も…開けて仕舞えば
お化けが出ます。
欲張って貰った大きな葛籠も、遠慮がちに
受け取った小さな葛籠も…開けて仕舞えば
お化けが出ます。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!怖いものを語る言葉が、すーっと入ってきますよ。あなたの中に。
いかにも〝怖い話〟の他にもここには並んでいるんです。
水底に差し込む光のように、ゆらゆらと揺蕩う奇妙な出来事。
掬い上げられた小さな〝差異〟が、いつしか記憶の中へ這い寄ってくる状況。
夢と現の境界が、気づかないうちに曖昧になっていく時間。
そうかと思えば、思わず拍子抜けしてしまうほど可愛らしいお話もあります。
こうした趣の異なる物語が並んでいる多様さこそが、この作品の大きな特徴なのです。
ようこそ、怪談のヴンダーカンマーへ。
本作を読みはじめたあなたが、まず着目されるのは、文章のなかの難しい漢字や古風な言い回しだと思います。
どこか昭和初期の文章を思わせる趣。
怪談を語る上で、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!非日常の美しい文章の中に潜む上質なホラーをご堪能ください
朔風払葉に浮かび上がる鬼火の風情の調べ。
芳烈で馥郁たる白香が魅せるクチナシの真実。
宓(ひっそ)りと、
闃(ひっそり)と、
赫黯(あかぐろ)い、なにかが……
すべてを語るには枚挙にいとまがないが、強いて挙げるなら難読漢字や当て字が特徴的だ。
おどろおどろしさや禍々しさを醸し出す独特で退廃的な美しさにホラーの魅力を感じる。
多少の読みにくさはあっても、それらを取り去っても夏の涼として味わうには十分価値を秘めた上質なホラー短掌編集。
あなたも愈々(いよいよ)か。
受け取った葛籠(つづら)を開ける時がくるとは。
願わくば、あなたの知っている世界が暗転しないことを祈る。