武江成緒

道路が舗装され尽くすまえは、よく道にも穴が開いていましたよね。 穴の底は、どうなっていたのでしょうか？ その向こうには、何があったのでしょうか？ それを覚えているあなたは……何な…続きを読む

古の伝説にまつわる神事の面。 不気味ではあれど軽くなく、さりとて陰惨にすぎない不思議。 それらのかもす寂びを帯びた不可解もさることながら、それが主人公たちの思い出と郷土にしっくりと…続きを読む

この世界を、次元を超えた先にあるもの。 それを幻視し、それを描写するという荒行。 カクヨムが開始するそのずっと前から挑んできた作者様だからこそ描ける薫りが、本作には濃厚にまとわりつ…続きを読む

誰もがもつ『牢獄』のイメージ。 それはただの印象にあらず、なにかを、誰かを、恐らくは―――自分自身のなにかを囚え、幽閉している、実感あふれるイメージとして、多くの人が抱えているので…続きを読む

胸が詰まるほどに重く、理不尽で、切なく、哀しい顛末。
それをここまで丁寧に、緻密に描きあげた筆致に、痛ましいほどの戦慄を感じます。

今回の企画に参加し、はじめてエッセイに手を出した、私のような者にとっては非常に参考になる作品です。 経験と論理性とに裏打ちされた綿密な分析と、要領よくまとめられた内容。 今回はい…続きを読む

目の前にありありと、月夜の森が浮かんでくるような美麗なる文。 その中を、暗い輝きをはなって舞う、女の哀しみ。 しかしながら、かの神は、憐れみも、惜しみも示さず、哄笑とともにそれら…続きを読む

虚ろに生きる、虚ろにしか生きられない孤独な魂。 それが泳ぐのは、虚ろな夢をふりまく緑の水槽。 現実という形にはまることができず、たゆたう潮に流された果てにたどり着いたその海とは。 …続きを読む

狂気へとさそう絵の噂。
荒みはてて狂いに至った人の心。
それらを見下ろす満月と、すべてを飲み込む深い海。

この『絵』をご覧になっても、狂気には呑まれませんように。

『TAKAMURA』『YAKYO』に続き、最終章となる本編。 流罪がとけて京の都へ還り、朝廷の政治にたずさわることとなった小野篁。 橘逸勢、藤原良房、在原業平、伴善男……史実に生き…続きを読む