刹那

トムとニコ、大好きな人と二人でお花見お弁当を食べる微笑しい物語。 現実世界から家出する心が行き着いた場所がここでした。そこで待っていた華やいだ春の感覚と相まって優しい気持ちにさせて…続きを読む

男の子どうしの友情。成長とともに異性の恋に変わっていく。告白に大きく揺れる心理と見た目だけの恋のギャップにどこか惹かれます。 友達以上、恋人未満。 思春期に揺れ動く複雑な思いの…続きを読む

一夜の過ちワンナイト。酔いつぶれた男女二人が過ちの記憶を無きものにしようと別れ、関係を断とうとする物語。 しかし、偶然の見えない糸はお互いの深層心理に苦味を覚えるように絡みつき…続きを読む

あなたの家にも、その優しい妖精はいるのかもしれない。秀逸なキャッチフレーズに支えられ、読後感も私たちの心を優しく温め、優しさに包まれる物語です。 これまで数多くのレビュワー様があら…続きを読む

KAC2025で4作目となる漫才ネタ。 やはり回を増すごとに面白くなってきている。 ボケとツッコミ、予想できない展開と最後のシメも練度を上げてきている。 同じ夢を見続けること…続きを読む

大気組成の約2割を占める酸素にまさかの異世界転生。前人未到の切り口で自由に飛び回りまわる衝撃作です。 タイトルに引き寄せられ、何だろうと読み始めたあなた。正解です。 読者の想像を…続きを読む

主人公・綾香のアカウントがある日突然乗っ取られ、『クラスの女王』こと城崎から合成ポルノのいじめと冤罪の被害に遭ってしまう衝撃的な展開。 取り巻きの生徒は誰も助けてはくれない。 …続きを読む

人間と魚。同じ生き物でも住む場所も違えば呼吸の方法も異なることは言うまでもありません。 しかし、その常識的な認識を文章の力で非日常の世界へと引き摺り込む怖さがあるとしたらどうでし…続きを読む

妹の喪失。それは変えられない過去。 悔し涙。やるせない思い。 彼女の生前に想いを馳せるほど愛おしくてたまりません。 決壊する感情が繊細で儚くて、それでいてどこか清く美しい物語です。…続きを読む

近未来の時代において、ある研究チームが科学の力で空想上の生物を造るプロジェクトを立ち上げる冒頭。 しかし、すぐさまその動きに反応したAI。人間の勢力たる英智を全面的に上回ってしまう…続きを読む

信号待ちの交差点でム◯ミンのスナ◯キン似の妖精に出会ったらどうでしょう？ 身長は20センチくらい、ずんぐりむっくりした小人のトンガリ帽子にポンチョ姿。 なんとも愛らしい。 会話…続きを読む

ここは『妖精の館』。 その館には『後悔したくなければ、この館では決して妖精を呼んではいけない』という意味深なルールが存在するという。 妖精のいる館なのに呼んではいけない？ 何だ…続きを読む

シリーズ第三作目。今回もお笑いで漫才ネタを披露してくれます。 半ば耳に残る『感性が古すぎるよー』のフレーズ。 個人的にお気に入りなのですが、まるで『クセが凄い！』でお馴染みの千◯の…続きを読む

世界規模で活躍する五人組女性アイドルグループ、メビウス。その絶対的センター、式見ゼロ。 彼女たちを学園祭に呼ぼうと働きかける鈴木トウカという謎の人物。アイドルの裏側の素顔を垣間見る…続きを読む

どんでん返し。一言で表すには目まぐるしい展開。
明かされる真実に現実に引き戻される記憶と伏線の数々。
KACでは超大作間違いなし。卓越した構成力の光る必読必至のミステリーです。

竜騎士の母アリエスを探す主人公のエリゼたち。アリエスは現在行方不明。残されていたのは画面越しの映像。闘技場で圧倒的な戦力を発揮し、敵と戦う竜騎士として洗練された英姿だった。 それ…続きを読む

ＮＴＲとリョナを基本とした性癖山盛りのサンドボックス系エロゲーの世界です。モイスチャーでキワドイ愛欲シーン、まだ精通もしていない未就学児の主人公アレフには酷なシチュですよ？　 ……続きを読む

エミがあこがれるのは色んな意味で中々のメンズ。エミの話に激しくツッコむ友人のチカ。 すべて会話文かつユーモアに富んでいてサラッと読めるから手に取りやすいですよ。 女心と男の思惑と…続きを読む

スポットライトを浴びてステージに咲き誇る輝かしい存在。見る者に勇気と希望と夢を与える象徴。それがアイドルと捉える方は多いでしょう。 しかしその裏で、光の当たらない側面で精神をす…続きを読む

語り部が変わりながらオムニバス形式で語られる七つのジワる恐怖譚。 時は昭和初期〜と思われますが、レトロ感も時代のうちなのか、親しみやすい時分の情緒を感じ取ることができ、ホラーも含…続きを読む

ある日届いた雄馬からの手紙。 家に閉じこもっていた由香にとって、それは心の澱を優しく溶かし、想いが溢れ出していく彼からのメッセージでした。 止まっていた時計が動き出し、カゴの…続きを読む

第五章までのレビューとなります。 探索者の両親が失踪したダンジョン。 息子のヴィクターは仇を打つべく一人現場へと乗り込む人気ダンジョンシリーズの王道ストーリーです。 人間の思考や…続きを読む

作者様の名前にもある『ひみつ』の文字。薔薇に秘められた隠れた深意が、詩と小説の中に散りばめられています。 なるほど確かに埋め込まれている。頭文字にあの意味が。 書き殴られた詩。横…続きを読む

母親に暴言を吐いて家を出て行ってしまった主人公のリカ。 取り返しのつかない行動の先――抱いていた理想とはかけ離れた昔の農村にトリップしてしまいます。 そこで彼女を待ち受けるものと…続きを読む

心の優しい主人公は、 雨に濡れることを厭わずに、 想いを寄せる彼女へと 傘を差し出す。 その思いに気づくように、 その後の予定を顧みず、 彼女は元来た道を引き返し 会えると信じ…続きを読む

この物語はたびたび登場する虫――それも常軌を逸した特異的な描写――が可能とする穢欲が臭い立つ湿度の高い陰惨たるホラーだ。 病死とされた肉親の死因。忌女の祟りが呼び寄せる禍痕の痣…続きを読む

第一幕までのレビューとなります。 美しい旋律のまなざしが空間を彩る大広間。 上流階級の嗜好に翻弄され声の手術を受けた去勢歌手。 現在の美しい歌声と過去と未来に挟まれた運命の苛烈…続きを読む

大切な花瓶を割ってしまった涼ちゃん。 「ごめんなさい」と言える勇気が持てなくて逃げ出してしまいます。 そんな涼ちゃんの前に現れた不思議なお兄さん。 誰にも分からなければ大丈夫だ…続きを読む

雨から小雨、雨上がりへと……
雨の移ろいに見立てた心情の変化。

時に静と動を求める恋心。
雨と時の変化に心の機微が美しい短編小説です。

ガーベラが近くで咲く図書館のベンチ。そこで読書をするのが好きな小６中学受験生・舞人。 今日も同じ場所へと向かうと、ベンチの下に何も書かれていない本を見つけ拾います。 その本が文…続きを読む

新学期で隣になった金髪碧眼の美少女・二条マリー。 自己紹介の番。自称女神と言い放ち、和服に身を包み日本刀を携える異質な存在に周囲は凍りつく。 そんな隣の席の彼女と平凡な男子とのラ…続きを読む

場所は福岡空港のとあるトイレ。 主人公の「川口良太」は洗面所で手を洗っていたおじさんのポケットから落ちた物に目が留まります。 コートのポケットからハンカチを出したはずみで落として…続きを読む

作者様の留学先ヴェネチアでご経験された実体験です。 「アクア・アルタ」という潮位が増し、街の安全が脅かされる水の脅威。 周期的にやってくるそれを住まう先の半地下住居で迎えてしまう…続きを読む

なんといっても圧巻なのが緊張感あふれるバトルシーンだ。 敵は驚異的なスピードで戦力を増していく謎の存在『レイダー』。 主人公のシュウがリーダーを務める「ネームレス」という４人の特…続きを読む

人間、極限まで恐怖感が高まると、ふ、と笑う瞬間があるそうです。笑いは恐怖を抑制する効果が実証されています。 あえてコメディというホラーと相反するアンビバレントな要素を盛り込むこと…続きを読む

不吉の象徴として描かれることの多いカラス。どこまでも闇色を帯び、死色に近いその身なり。狡猾な眼光と鋭利なクチバシには狂気さえ覚える。 この小説で登場する奇妙な白い更地に群がるカラ…続きを読む

怪異専門の殺し屋女子高生、その名も爆弾魔シゲミ。今回も期待を裏切らず盛大にブッパします。 学校の屋上――授業中なのに、生徒が平気で爆弾ブッ放つクレイジーな作風。 怪異も呪いも爆弾で…続きを読む

人は外見でその為人を判断しがちである。しかし、人は見かけによらずである。 今回はそんなエピソードを紹介したい。 高校生活三年間をSは学校指定の真っ白な半袖開襟シャツで過ごした変…続きを読む

タイトル通算100期を賭けた羽生善治永世七冠（当時の冠位）。 対するは時の寵児とも言われ、いま最も勢いのある藤井聡太五冠（当時の冠位）。 羽生さんの羽生マジックとも言われる『手の…続きを読む

作者様の実話です。 とある歯医者のお話。 エナメル質が全部溶けている？ 人体で最も硬い組織のひとつなのになぜ？ どうやらそれが全部、私の歯から溶けてさっぱりなくなっているらし…続きを読む

第一章までのレビューとなります。 まず目を引くのが、キャラクターたちのステータスと関係性です。これらの設定が上手く相互に及ぼし合い、物語に躍動感を与え、楽しみながら読めるのが本…続きを読む

鬼のように破格の条件で入居してしまった事故物件。 なんということだ。明らかとなっていくその全容。身の毛のよだつイメージに打ち震えそうです。 コメディを小気味よく挟みつつもやはり今…続きを読む

月から降り立った「うぐいす姫」と彼女に恋心を抱く「陽一郎」との時を超えたストーリーです。 うぐいす姫は、人を喰らいたい衝動を抑え続ける鬼である。まず強烈に訴えかけるこの存在感に…続きを読む

この小説で醍醐味の一つが少女に擬態した鬼の心の葛藤が繊細に描かれている点です。友の存在がそれに大きく寄与し、鬼の心に大きな揺さぶりをかけるのです。 概説しますね。 鬼は人間の「…続きを読む

サイバーパンクな世界観。 ハードボイルドタッチでタバコシーンが際立つカッコ良さ。 むせ返るような淫靡も煩わしい現実も、 毒客も、毒舌もすべて、開放的な紫煙に吐き出してしまえばいい。…続きを読む

ティラミスの材料として知られるマスカルポーネ。失恋の後、別れた彼をチーズに重ねるように物語は展開されます。 カビの生えたチーズ……彼を想うように舌に触れるのですが、精神を蝕むよ…続きを読む

主人公の最低ランクの発明を司る女神エリカ。様々な発明品も成り上がり思考強めの物々しいアイテムばかり。装備の刀も鳴りを潜めてか、何処か妖しさを孕む。彼女の性格もどこか女神らしさとは…続きを読む

心の瞳で　君を見つめれば 愛すること　それがどんなことだか わかりかけてきた 坂本九『心の瞳』の歌詞の冒頭です。 この合唱曲をご存知の方はきっと、この小説の伝えたい意味を心…続きを読む

過去の産物の微笑ましさも…… いまを嘆きたくなる衝動も…… 未来へと繋がれる可能性も…… 時の流れを感じる短歌には趣きがあり、 移ろいながらの思いが込められている。 それらはす…続きを読む

数ヶ月ぶりに帰省してきた大学生の私。 何気ない家族のダイニングルーム。 しかし、いつもの座る席がない。 愛着のある席には積まれた衣服が…… しかし、この衣服たち、一向にどかされ…続きを読む