概要
現代ファンタジーとホラーをかけて現代ドラマでかき回したあと現代ファンタジーで割り戻した感じの話です。たぶん。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!バスは着くのか。そして着く先は。
3つ怖いポイントがありました。
読了時、あまりに混乱して、
いやいや、そんなはずはない、論理的に見つけられてないんだ、と何度か読み返しました。
赤子の顔が黒い。カビが生えている。妻に押し付けて書斎に消える旦那。行き場の無い感情。
「左右の足を順に動かし」「腕二十度」赤子をベッドに横たえるだけの動作がこれです。まるで動かない人形…
そして、ぷちゅ、と潰れる小指。バッグの中に、その右手がいる…
豚の心臓は読み返すたびにぐさりと刺されました。
そして、バスはいつまでも雨音の中を走り続け、夜は明けない。
もはやもう、地獄行きのバスじゃん!というざわり感。
いや、まてよ。そんなはずない。
も…続きを読む - ★★★ Excellent!!!昏く美しく終わらない夜の旅
得体の知れない衝動に駆られて夜闇に身を投じるひとりの女性。
行き先は肝心ではない、旅路もさして重要ではない。
ただどこかへ。ただ遠くへ。
その心には根拠も弁明もなく、感情と現実の粘つく境界が溶けていく。
人と関わればそれは漣を生む。
しかし沈みゆく身を岸に打ち上げるにはあまりに微弱な波。
その旅の先に彼女は何を失い、何を得るのか。
言葉に出来ない裸の感情は、感じることしかできない。
読ませるのではなく、感じさせる文体に全力を尽くした、そんな不穏で妖艶な幻想文学として受け取りました。
夢幻と含蓄に富んだ独特な世界観を描く筆にかけては、右に出る者はいないと思えるほど、作者さまならではの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この指はいったい誰のだろう?
行くあてもなく、どこか遠くへ。
見知らぬ場所に降り立てば、そこで新たな発見があるかもしれない。
ふと思いついた旅にはそんな魅力を感じますよね。
本作での主人公が旅に出かけるきっかけとなったのは赤子・太郎の顔の黒い変化でした。
旅の理由としては、
なんとも奇妙な結びつけでしょうか。
顔以外はピンク色のもちもち肌なのに、なぜか顔だけが日を追うごとに黒さを増し、さらにはカビの臭いまで帯び始める。
夫に訴えてもその変化がわからず、妻の私だけに見えている怪奇現象を突きつけてくる冒頭。
さらによく見ると顔以外でもその黒変は進み、黒くなった右手の小指をつまみ直そうとしたら、ぷちゅ、と音を立てて…続きを読む - ★★★ Excellent!!!闇の中を直走る夜行バスの終
鬼才、佐藤文学の一端を担う物語が又ひとつ
此処に生まれ落ちた。
そう紹介するのが最も佳いだろう。この
一見、不可解な物語の根底には常にひとつの
強い 意志 が横たわる。それが故に、
作者の紡ぐ言葉は生々しく、生気に満ちて
いるのだろう。例え、それが幻想の中で
カリグラフィの硬さに整えられたとしても。
さて、この物語は一人の女が
自分の赤ん坊の 異変 に気付いた所から
始まっている。
自らの子を 赤子 と呼ぶこの女は何とか
子供の体裁を整えようと必死になって
遂には黒い小指を潰してしまう。
鬼灯笛、東北地方の赤子の飾り、漆黒の
闇の様な我が子への愛着と戸惑いは
旦那様 と呼ばれる夫の無…続きを読む