刹那

高校生の夏は特別な思いでできている――ひたむきな情熱に想い焦がれる青春物語です。 甲子園が見えてきた夏の夢も―― 甘酒に丹精を込めた夏の味も―― 耳に優しい向日葵の夏の声も――…続きを読む

Nagashi-Somenグランプリ、通称N-1。まるでこの言葉が広辞苑に載る勢いを感じるような――そんな熱い戦いが繰り広げられます。 ただそうめんを流すだけではありません。 見…続きを読む

さいかわ葉月賞参加作品の中で最もインパクト大のフレーズが飛び出しました（個人的に） 私はこれだけで大満足です。もちろん小説もとっても面白い。ただでさえ暑いお盆期間に休日出勤して熱…続きを読む

こっちの世界に居ればすべて忘れることができる。嫌なことも、辛いことも。 でも、どんなに辛いことがあっても、それは今の自分に繋がっている。本当の自分を忘れたくないから。 どんなに夏…続きを読む

いい年した暑苦しいおっさん虎太郎と、二十歳のどこか抜けている雪緒ンナ。季節とともに去りゆく笑顔――暑い夏に切ない冷たさを同居させたコメディ調の恋物語です。 軽妙な掛け合いと相性…続きを読む

高校生の夏の青春を描いた物語です。 主人公の風見先輩は、デリカシーのない脳筋タロから何度も告白され続けては断っているコメディ調から始まる冒頭が印象的です。 そんな中、友達の美知留…続きを読む

作者様がとある国で体験された実話です。 追われて付きまとわれる感覚と、もう一つの太陽を思わせるオレンジ色の超常現象。 可能性を探ろうにも、イヤな予感しかしない。 想像してみてくださ…続きを読む

組の金を持ち逃げした弟分。兄としての自分はその責任を取らなくてはならない立場。やるせない怒りとともに、きえた弟分を探す掌編です。 弟の右腕には青龍の刺青が刻まれいて、今もこの世…続きを読む

自身の小説投稿サイトのアカウントに突如知らない小説が投稿されている――この導入から感じたことのない強い衝動感を覚えます。 知らない小説を読んでみる――面白い。 気づけば分単位で…続きを読む

はい様とは何者なのだろうか…… 『都市伝説』、『謎の置き配』、そして『正体不明の存在』…… これらのホラー要素がいざなうように絡み合い、眼前に横たわる恐怖から目が離せません。 様…続きを読む

見てはいけないものを見た。身を守る態勢から襲いかかる恐怖。 それは数瞬の出来事とはいえ、脳裏に強烈に残る像。 老朽船のトイレの雰囲気が、異常な密度でお出迎え。不可抗力よろしくの船…続きを読む

鳥から転生した人間を慣れた口で斡旋していく物語。 語り部はミョウガの妖精と呼ばれる小鳥。現在は若い女性と思われる人間へ転生・活躍している（ex:鳥） 声の調子から人間へ転生した若…続きを読む

とある資産家の元へと現れた、悪魔と名乗るセールスマン。 『どうでしょう、寿命を買いませんか？』 これは悪魔が資産家にいかがわしい商談を持ち掛けるお話。 寿命より長生きができ…続きを読む

死を思わせる恐怖体験で、非常にセンセーショナルなお話だと感じました。現地で怪我をされ、感染のリスクに晒された作者様は、相当怖い思いをされたことでしょう。 発症前にワクチン接種を然…続きを読む

わがままボディのせいでサイズが間に合わず、やむなく喪服を買いに行くというお話。 ピッチピチの喪服では暑くて死んでしまう。 なんとか着れたけど、今度は脱げない。 葬儀を終えて、涙…続きを読む

心と身体が交錯する闇中での出来事。漆黒の夜に、道ならぬ先へと、お互いが求める『もう何処にも存在しないあなた』を宿して、物語は暗がりに花ひらく。 本心から愛しき人を重ね合わせる切…続きを読む

高校生球児にとって特別な思いが込められた最後の夏。 夏の暑さが心の熱に変わる球児たちのドラマ。 恐ろしいまでに凝縮された、最後の一球に込められた、その思いのすべてを、瞬きを忘れた…続きを読む

昭和のレトロからノスタルジーを感じるカルピスへの思いを綴った短編です。 冒頭から夏の雰囲気を味わって、そろそろ乾きを覚えた頃に本作の主役カルピスが満を持しての登場。まるで図ったか…続きを読む

主人公の男爵令嬢フィファニー（17）は当時五歳の子どもを保護したことで誘拐の冤罪を着せられてしまう。 後にその子どもはイルキュイエ王太子と判明し、攫いの魔女というレッテルを貼られ…続きを読む

第十話までのレビューとなります。 科学と魔法が共存する【Kreysto】と呼ばれる世界に、主人公は特別な双子として生まれた次男【Panoskal】と三女【Panoretia】…続きを読む

最後となる夏の海での仲間との戯れ。 そんな中、突如として現れた軍艦からの軍事侵攻。 多くの命が凶弾に倒れる中、巫女ウルスラが放った冬招き巫術でこれを耐え凌ぐ。 その威力は凄まじ…続きを読む

時を止めたように佇む、人のかたちをした灼熱の影。そこに恐ろしいまでに凝縮された死の熱に、どこまで想像が働き、行き届くのだろうか。 万感の思いが込められた八月の空。 忘れてはな…続きを読む

本作は三幕構成。 その時の移ろいに登場する『おちる』という印象操作。まるで意識下に落とし込むサブリミナルのように刷り込まれていく感覚が印象的。 時折魅せる色彩豊かな描写も、同じ…続きを読む

小説タイトルに惹かれて選んだあなた。正解です。 これはただのヒーロー戦隊モノではありません。 監督やヒーローたちにまつわる放送されない裏の情報が、ノンストップで暴露されていきま…続きを読む

夜明けまでの制限時間。病態生理の一環が裏付ける【夜】であることの必然性。 吸血鬼というメタファーを物語に上手く融合させ、時間切迫という緊張感から瞳が離れられない。 限られたその時…続きを読む

作業所へ行く準備の最中のささやかな心うつり。 夏の存在を鼓膜という楽器として思わせるうだるような鳴蝉。 空蝉としてその儚き生命の先に映る、生まれかわりの摂理。 わずかな時でさえ…続きを読む

一年にわたって満月を見られない『三日月村』。今では、その村は地図からも抹消され、幻の聖地となっていることから、その物々しさにまず引き込まれます。 祖母が強く言い残した遺言―― …続きを読む

運命を変えるための聖魔法。 その多大なる魔力により、唱えれば命の保証はない。 チャンスは一度きり。 過去の記憶と引き換えに、未来の記憶を紡いでいくストーリーに胸が祈るように…続きを読む

切なくも儚い実話です。 昼間なのにカーテンを閉め切った仄暗さの中で、快への誘惑にとけるように求める脳と心。 やめたいけど、やめられない…… 依存性に駆られた未成年の身体は蝕まれ…続きを読む

かき氷の歴史は古い。清少納言が、甘葛をかけた削り氷を味わっていたことで知られている。 当時、氷は氷室に貯えた希少品。貴族のみが楽しめたその一端、気の遠くなる道程を経て運ばれるからこ…続きを読む

知らない世界の入口。その数は無限とも言えるし、まだ見ぬ好奇心の数とも言えるだろう。 知らないことを知ろうとする知識欲がなくならない限り、無知の知を力に変えて私たちは目の前の可能性…続きを読む

財布や携帯の自由から解放された夏の夜。 心地よくなでていく夜の風。 後先考えずに飲み歩く。 アルコールに体中の感覚を委ねながら いつしかこの身体が忘れてしまった ある夏への憧れを…続きを読む

思わず惚けてしまいそうになる広がる湯畑や、名だたる将軍の愛した名湯まで。 全国の有名な温泉が詳しく紹介されています。 友人との温泉めぐりから様々な経験を通じ、その地域の特色や風土…続きを読む

冒頭からの感情ダッシュに一気に惹き込まれる。 煩うような煩さへの、冷静なツッコミと心底に沸くじわる共感。 本当にマッチしている。 季節を越えた再会を紡ぐ渾身の1000文字。 夏に肖…続きを読む

この物語を一言で表すとしたら『ケミストリー』という言葉を選びたい。 意味として化学（反応）や相性、また、協調関係のニュアンスで使われる表現。 学園生活で過ごす青春の場面という…続きを読む

作者様の日頃の観察眼から紡がれた感性あふれる物語。 でもよく読んでみると、この小説……会話の「　」が一切ないのです。 何だろう？　気になって読み進めてみる……でも不自由なく会話し…続きを読む

正真正銘の馬鹿正直な勇者【ユーリ】と、それを親の気持ちで見守る十歳ショタ姿の転生オッサン魔王【エル】の構図が本当に面白い。 なんてシュールな絵なんだ。 気づけば軽妙な掛け合いで…続きを読む

主人公の男子生徒加藤の手元にあるのは、魔法のような不思議な薬。 この薬を飲みさえすれば、苦しむことなく退屈な人生から解放され、生きることを放棄した願望を叶えることができる。 しか…続きを読む

夫のスマホから発覚した浮気。 ちゃんと証拠を押さえて、旦那からも浮気相手からも慰謝料を請求してやるんだから！ 主人公の桃山類子は復讐に燃える。 旦那の不貞証拠を集めるために、…続きを読む

魔法使いの夢の青色に例えるなら、見据えた先の太陽の双眸は星の藍色と準えてみようか。 人生を航海に例えるなら、その色は、その出藍の誉れは、未来の空を超えていくようだ。 これほど美…続きを読む

『愛は食卓にある』というマヨ的キャッチコピーはさておき、美味しいご飯がキッカケで展開される恋の味。 性格の異なるバディを起用した幸せを運ぶカフェに好感が持てるだけでなく、気づけば、…続きを読む

義姉弟の恋模様を描くヒューマンドラマ。 結婚前提の告白から始まる切り口が、血の繋がりのない姉と弟の心に揺さぶりをかけます。 男と女―― ――それぞれの抱く思考と感情。 義弟の閉…続きを読む

夏の色といえばどんな色を浮かべますか？
様々な思案を巡らせても、この色には敵わない……
読後感として、少年の決意の先に二人の心の夏色を浮かべたい青春の掌編。

　ここは、人口は700億人を超える研究都市。数万とある学校や研究施設が結集する第７衛生。その中でも最上位に君臨するルーヴェレ記念学校に在籍する主人公Mと友人Leを取り巻く物語です。…続きを読む

断捨離の最中、とある写真を見つけます。 そこに写る懐かしい思い出。和むような想いを馳せて。 それは過去と分かっていても、今、この瞬間から未来へと繋がるような体感を覚える。 ひと夏の…続きを読む

第十話までのレビューとなります。 民から『神』が嫌われている？ 主人公シズクは異世界転移したのに、スローライフどころか、まさかのガチ酒造？ その理由とは…… 想像以上の駄女神…続きを読む

小説の最後にはやっぱりオチは必要だし、それもしっかり落としてくれる意外性ときたら安心の読後感が得られる。 本作はそれらを叶えてくれるオススメの一作だと推したい。 さらに読了後、仕掛…続きを読む

　大かんばつに見舞われた、極限の乾きを覚える世界。人生に絶望した裕也家族を取り巻く環境がリアルに描かれており、危殆に瀕する生命と人生の際どさをまざまざと感じます。 　もし、この国が…続きを読む

私の夫はスパダリだけど、どこか物足りない。満足はしているのだけれど、どこか少し心の隙間があって……そんな風穴が邪念を呼び起こす、もう二度と引き返せない展開から目が離せません。 夫で…続きを読む

国王を招いた歓迎夜会は豪華絢爛たる光景に酔いしれようとしていた。 しかし、次の瞬間、虚無の空間と化してしまう。 完璧令嬢アイリスは、絵に描いたような金髪碧眼の王子エドワードから婚…続きを読む