平安の刻、真夏の甘い雪

かき氷の歴史は古い。清少納言が、甘葛をかけた削り氷を味わっていたことで知られている。
当時、氷は氷室に貯えた希少品。貴族のみが楽しめたその一端、気の遠くなる道程を経て運ばれるからこそ、至高の食べ物と呼ばれる所以なのだろう。
今年の夏も口にするであろうこの甘美な雪を味わって、平安の境地へと思いを馳せたい。