SF妖精

科学が幻想を創る時代――📚🌸

『SF妖精』は、科学の力で“妖精”という空想上の存在を創造しようとする研究チームと、それを支える人工知能（AI）とのやりとりを描いた、濃密なショートショートSFです📖✨

本作は「夢を叶えるのは誰か？ 技術か、人間か」という問いを、軽やかな語り口で提示しながら、幻想と現実、創造と管理の境界線を巧みに描いています🤖💭

AIと人間の境界線を問う、静かで鋭いショートショートSFをぜひご体験ください🧚‍♀️🔬

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（319文字）

近未来の時代において、ある研究チームが科学の力で空想上の生物を造るプロジェクトを立ち上げる冒頭。
しかし、すぐさまその動きに反応したAI。人間の勢力たる英智を全面的に上回ってしまう機運が瞬間的に訪れてしまう。

その歴然たる力の差たるや……

やがて訪れるシンギュラリティ。
近い将来、科学の力で妖精を創造することは可能となるかもしれない。
それを叶えるのはAI（人工知能）だろう。
夢のある話だ。

しかし、創られた神秘をつぶさに精査し、安全性を確認する地味なタスクを行うのは我々人間となろう。
現実的な話だ。

夢と現実との乖離がAIと人間との隔たりを感じさせる巧みな構成力。
SF妖精はそんな…続きを読む

　こういう未来、本当にやがては訪れるのかも、と思わされました。

　「妖精を作るプロジェクト」が立ち上げられ、博士たちがそれを実行しようとする。
　しかし、実際に手がけるのは「ＡＩ」であり、その場にいる助手たちはただそれらをチェックすることしかしない。

　こういう世の中は、本当にいずれ訪れるのかもしれない。
　ＡＩが多くをやってくれるので、専門家となる人々は見ているだけ。
　そこから更にＡＩが発達していけば、どんな専門家でも理解の及ばない「もっとすごい先の知識」をＡＩが開拓していくようになるかもしれない。

　そうやって、人間がどんどんＡＩに遅れを取って行く。その内に学ぶことも無意味で空し…続きを読む