黒澤カヌレ

　よ、読んでおいて良かった……。 　読了後、そう思わずにいられなくなること必至の作品です。 　本作は、『日本社会の教育の矛盾』を鋭く突いた事態が起こります。私たちが知らず知らずに…続きを読む

　最後まで読み終え、あまりの楽しさに頬が緩みました。 　見事な叙述トリックで、ミステリー好きとしてもホラー好きとしても猛烈に楽しめる一作でした。 　そして、叙述トリックと言え…続きを読む

　「うわあ、読んでよかった！」と、読後に強烈な満足感を覚えました。 　これぞミステリーの面白さだ、と衝撃やら感嘆やら、様々な感興を抱かされます。 　作中の主人公は『オウサマ』とい…続きを読む

　全編を通し、とにかく迫力のある一作です。 　河鍋暁斎。幽霊画などで知られる幕末・明治で活躍した浮世絵師。彼が少年期からどのように絵のために人生を費やしてきたかが語られていきます…続きを読む

　ほのぼの楽しい作品でした。 　最近生意気になってきた孫の雅裕くん。主人公である『ばあば』は、そんな孫に対してちょっと意地悪な気持ちになってしまいます。 　そして、ある夜にお風呂…続きを読む

　登場するキャラとかシチュエーションが楽しすぎて、気持ちがほっこりする作品でした。 　 　設定されている謎のタイプも面白く、読み始めてすぐに「へえ～」と感嘆させられます。 　メイ…続きを読む

　色々と、認識を揺さぶられる作品でした。 　ある女性が一人で夜道を歩く。そんな中で背後から『コツコツ』と足音がついてくる。 　明らかに不安を煽りたてる状況。 　その先で、女性（…続きを読む

　最初から最後まで、ほっこりと微笑みながら読みました。 　タイトルの『奴等は翻弄してくる』は、ちょっとロバート・Ｒ・マキャモンの『奴らは渇いている』（吸血鬼が出てくるホラー）を思…続きを読む

　すごいものを読んだな、と読後にしばらく打ち震えていました。 　まずは冒頭で提示される状況。『三分間でドライカレーを作り、その間に犯人を見つけられなければ殺される』というもの。 …続きを読む

　また、カクヨムで面白いものを見つけてしまいました。 　よくぞ、この作品を書いてくださったと作者さんには感謝したいです。 　作品形式がとても独特で、ある商店街へと入り込んだ『主人…続きを読む

　ラスト一行のインパクト。その破壊力があまりにも強すぎて、読後しばらくはこの作品のことで頭がいっぱいになりました。 　『ぼくのお兄ちゃん』。タイトルの通り、ほのぼのとした感じで話…続きを読む

　またすごい、「おおう！」となる作品に出会えてしまいました。 　ラストのインパクトが強烈でした。 　本作は『二人称』で構成され、『君』という主人公（または読者？）に対して、何者…続きを読む

　とっても楽しい物語でした。読んだ後に「この話、大好きだ」と胸の中がホクホクとします。 　登場人物は主に二名。片方はお姫様。もう片方はオオカミさんです。 　主人公になりそうなお…続きを読む

　すごい作品と出会えてしまったな、と感動させられました。 　何と言っても、中心にあるテーマの扱い方がとても巧いのです。 　主人公は社会に馴染むことができず、自己肯定感を満たすこと…続きを読む

　シチュエーションがとにかく楽しかったです。 　 　目が覚めたら、顔に妙な落書きがされていた主人公。彼女の顔になされた落書きには、『ある特殊な塗料』が使われていたという。それが水と…続きを読む

　やはり、とってもブラックな物語。また、ご馳走になりました！ 　『誕生日に花を』と、なんか爽やかなタイトルです。 　そしてぼんやりと読む感じだと、主婦が壜の中に花を活けるという、…続きを読む

　　本作はとにかく、ゾクっとする小説でした。『不穏』という言葉を強く感じさせられることになります。 　ホラーの味わいとして、『不穏さ』というのはとても重要な要素であると言えます。…続きを読む

　全編を通し、教養に溢れた物語でした。 　主人公である父親は芸術家の娘の家を訪ねます。完璧主義で名作だけを描きたいと考える娘は、新作について酷く悩んでいるのがわかります。 　そ…続きを読む

　ラストのオチで、見事にやられてしまいました。 　死んだペットの幽霊、特に可愛がっていた猫さんが幽霊として出るのなら、それを怖がる人はいないでしょう。 　 　真っ白な体を持ってい…続きを読む

　怖い話です。ですがそれ以上に、『美しい話』だと感じてしまいました。 　 　この作品はラストにもゾッとするオチが待っていて、どこまでも人間的な理屈や感覚の通じない、人知を超えた存在…続きを読む

　全編を通し、ぞくぞくと緊張感を持って読まされる作品でした。 　コンピュータの世界というのは、科学の最先端のようでいて、同時に『怪談』の巣食う場所としても定番となりつつあります。…続きを読む

　とんでもないパワーに満ちた作品でした。読んでいて圧倒されます。 　作品の完成度もさることながら、エピソードの中から滲み出る情念の強さや、『倫理』を踏み越えた先にある人間の業の深…続きを読む

　「うわあ、読んで良かった！　得した！」と、読後に大変な満足感を覚えました。 　再会した二人が「少年時代の思い出」を語り合うという本作。二人の会話文のみで大半が進み、思い出として…続きを読む

　冒頭から出てくる設定を見て、一気に引き込まれます。 　「天使がいらなくなると、神様が空から腐りかけの天使を落とす」というのが常態化している世界。そして「腐りかけの天使が地上に落…続きを読む

　生首って、怖いですよね。 　 　基本、不気味なものだと思います。その辺に転がっていたら普通に「うえっ」となりますし、もしも空を飛んできたら悲鳴を上げたくなるのが定番です。 　そ…続きを読む

　『冥婚』。ホラーに詳しい方ならば、一度は名前を聞いたことのある単語でしょう。 　台湾の都市伝説が特に有名で、道端に落ちている赤い封筒を拾ったら、中に死んだ女性の遺髪が入っている。…続きを読む

　読むごとに、足元が覚束なくなるような不安定な気持ちにさせられました。 　設定から展開まで緻密に作りこまれ、非常に良くできたホラーサスペンス作品だと言えます。 　主人公は高校生の…続きを読む

　タイトルに惹かれて読み始めました。「妖精を食べる」という特殊な設定はファンタジックな風味があり、ちょっと耽美で幻想的な雰囲気が魅力に感じられます。 　「妖精を食べると年を取らな…続きを読む

　この作品には、ものすごい吸引力のあるホラー性が備わっています。 　「かさとそ様」と呼ばれる、「こっくりさん」に似た怪異が中心となったストーリーで、インターネットのサイトで「かさ…続きを読む

とにかくもう、雰囲気が最高でした。 「少年が夏休みに自分たちの町を探検し、『怪異』を地図に記していく」 このコンセプトが本当にワクワクさせられて、頭の中で情景を思い浮かべながら、…続きを読む

赤いおっさん、とにかく怖いです！！ 自分の目の前にこんなに人が出現したら、と光景をありありと想像させられました。自分なら１００パーセント通報しますが、それはどうやら間違いのようで…続きを読む

とにかくこの作品、文体がかっこいいのです。 元祖ラヴクラフトの文体が完璧に再現されていて、クトゥルーものを愛読していた身としては嬉しくなる描写の連続でした。 途中展開もラストもニ…続きを読む

他では中々お目にかかれない、個性的な作品と出会えました。 「２３秒間、感覚が他より遅れる」を持つ主人公。 その人物が普段はどのような感覚を持って生きているのか。そういう特殊な日常…続きを読む

まず何より、読み心地のとてもいい作品でした。 学校の先生が「想像する楽しさ」を子供たちに教える。その場面はほのぼのとしていて、子供たちかとんな絵を描くだろうと微笑ましい気持ちにさせ…続きを読む

素晴らしい作品でした。 ６６６文字という短さながら、読み心地よし、ラストのオチも最高と、すごい満足感を与えてくれます。 日常の中で見つけた小さな疑問を突き詰めて、主人公がいくつ…続きを読む

　タイトルを見た瞬間に、「これ絶対面白いやつ！！」と確信しました。 　そして、その確信は見事に的中、いえ、それ以上の満足感を与えてくれました。 　まず、メリーさんと言えば「少しず…続きを読む

読み終わった後の感想。ひたすらもう「なんか怖い！」と連呼したくなりました。 シチュエーションも日常的にありそうな感じですし、オチについてはもう、「な、な、な、どういうこと！？」と…続きを読む

　とにかく、この珍妙なタイトルを見て「なんだろう？」と思った人は、是非ともすぐに読んでみることをオススメします。 　珍妙と思った方ならば、ほぼ百パーセント「ええー！？」っとなる真…続きを読む

読んだ後、本当に色々と考えさせられる作品でした。 もし自分が同じ境遇に陥ったら、一体どうするだろう。 最初の内は、「こんなものより面白いものを書いてやる！」と意気込むかもしれな…続きを読む

日常の謎。言うまでもなく、本格推理というジャンルの中ではメジャーなジャンルの一つです。 作品の主人公も、「誰が机の上に麦茶を置いたのか」という小さな疑問と遭遇し、それについて頭を…続きを読む

　２００文字という短さが、とにかく楽しみやすくて良かったです。 　短すぎる話というと、たいていは「どういうこと？」という感じで終わることが多いですが、この短編集はどの話をとっても…続きを読む

　とにかくこの作品、雰囲気が良いです。 　 怪奇小説を思わせる舞台設定。いかにもクトゥルーの眷属なんかが棲んでいそうな謎の島が舞台です。 　その島へ測量に来た一団が、どう見ても人…続きを読む

　この作品はなんといっても、落語調の語りが癖になります。 「夢」をテーマにした「すこしふしぎ」な感じからの「ホラー」に繋がる展開も巧いです。 　それ以上に、全編を通して落語家の語…続きを読む

　一つ工夫を加えることで、有名な物語もまったく違った味わいを見せてくれる。 　この作品は、そんなホラーの新しい可能性を見せてくれました。 　モチーフとなっているのは、あの有名な『…続きを読む

　ホラーを読む時、大前提となっていることがあります。 　それは、作中の主人公と一緒になり、読者が発生する怪異とか凶事に対し、恐怖や緊張を感じたりすること。そうやって作中人物に感情…続きを読む

　このシリーズ、本当に面白すぎです！ 　とにかく主人公の町田が最高で、毎回モニター前で爆笑させられてしまうのです。 　メリーさんや花子さんなど、有名な都市伝説の怪異たちが、町田と…続きを読む

　序盤からのツカミが強く、ぐいぐいと続きを読まされる作品でした。 　道具立てとして「古文書に記された大厄災」、「使命を帯びた忍」、「力を持つ勾玉」などが登場し、芳醇なまでのロマンの…続きを読む

　とても丁寧に描かれた作品です。 　この作品の個性として一番に挙げられるのは、なんといっても、「異世界の内情や情緒」というものを、じっくりと手探りするように味わわせてくれることで…続きを読む

　「ハピルマ」という魔法を知っているでしょうか。それは、喰らった人間が幸福状態になってしまい、まともに行動できなくなるという状態異常の魔法です。 　この作品を読んだ後は、しばらく…続きを読む

　この作品を読んだことで、幼かった頃の感覚がありありと思い起こさせられました。 　眠れない夜。いつまでも眠りにつけないでいる時間。その時間はなぜか、自分が「悪いこと」をしているよ…続きを読む