黒澤カヌレ

　テーマ性が強く、とにかく感嘆させられる素晴らしい一品でした。 　黒猫のナユタは火葬場を縄張りとして生活する。 　ナユタは命を司る「神」としての力があり、ペットロスで苦しむ人たち…続きを読む

　これはもう、ストレートに「怖さ」を味わえる作品だ。冒頭からすぐにそう確信しました。 　ホラーにおける「タブー」。死者を冒涜するとか、禁足地に足を踏み入れるとか。そういうことに抵…続きを読む

　読んでいて幸せな気分になる、あたたかい作品です。 　とあるラーメン屋台。そこにやってくるお客たち。 　このラーメン屋台には、いくつもの笑顔がある。気のいい店主はチャーシューを一…続きを読む

　読むタイミング、読む場所が一つ違っていれば、「なるほど、こんな始まりがあったのかあ！！」と本気で納得してしまいそうな、不思議なリアリティに満ちた作品です。 　「骨」という単語が…続きを読む

　もう、「骨」をテーマに自由自在。なんとも贅沢な楽しさに満ちた作品でした。 　主人公は自分の鞄の中になぜかガイコツが入っているのを見つけてしまう。 　誰かの鞄と入れ替わったのだろ…続きを読む

　何かの深淵を覗きこんでしまったような、そんな強烈な何かを感じさせられる話でした。 　冥界の王ハデスのもとにいた少女陰乃。彼女は「骸骨的な外見」を持つハデスのことを愛していた。 …続きを読む

　読み始めてすぐに、圧倒的な熱量に心を奪われました。 　異世界転移を扱った作品で、縫や独去、嘉助たし、『切支丹の忍たち』が、魔法の存在する異世界へと転移することで物語が始まります…続きを読む

　展開が変幻自在で、最終的にどうなっていくのだろうと、ぐいぐい引き込まれました。 　ストーリーは、ある親子の会話を中心に進みます。 　「骨」というテーマで作文を書かねばならないと…続きを読む

　掛け合いが楽しくて、読んでいて幸せな気持ちになりました。 　食用には利用されていなかった魚を商品加工することを生業とする佐藤文彦。 　 　そんな彼らの魚を巡るやり取りが、とにか…続きを読む

　本編を最後まで読んだ後、このタイトルの言葉を問いかけたくなりました。 　主人公である「ぼっちゃん」は、自動人形を「メイド」として傍に置き、身の回りの世話をいつも焼いてもらってい…続きを読む

　終始笑いっぱなしの一篇でした。 　死後、歌のオーディションに参加することになった小野小町。死後の世界なので相手は髑髏。その中でバンドを組むことになり、歌ってみることに。 　そ…続きを読む

　幸せな気持ちでした。「こんなこと、実際にあったらいいなあ」と今後も時折頭の中をかすめるのではないかと思います。 　あるオフィスで働く男が主人公。彼は「コツコツさん」という女の幽…続きを読む

　そう来るかあーーーーー！　と、読み終えた後はしばらく興奮が冷めやりませんでした。 　主人公は「ある政治家」であり、総理大臣となった後に、目の前に「雅」という名前の少女が現れる。…続きを読む

　また新しい可能性を見せてくれました。 　食堂で働くトム。トムは霊能力者のおばあちゃんがおり、自分自身も霊を見る力がある。 　そんなトムが食堂に来た客に「鬼」が憑いているのを見つ…続きを読む

　まんまと、してやられました。 　これ、夜に読んじゃって大丈夫かな……。飯テロなんじゃない？　おなか空かない？　という不安を抱えつつ、どうしても気になって読み始めました。 　そ…続きを読む

　ノスタルジックな感動が胸を打つ、とても素敵な作品でした。 　主人公は『薔薇色夢スリープ』として、幸せな夢を見たまま安楽死ができる装置に入ることになる。 　そこで夢を見始めること…続きを読む

　お、面白すぎる～～～～～！！！　 　 　……と、読み進める中でニヤニヤが止まりませんでした。 　とあるホテルの一室で、血塗れ（？）で殺されて（？）いる花嫁（？）が発見され、事件…続きを読む

　ミステリー、そして「カワイイ」が特徴な作品でした。 　家ではポンコツ、でも学校では天使と思われている美少女リネと、そのお世話係で振り回される主人公。 　ホームズが大好きで探偵ご…続きを読む

　頭の中がハッピーになって、読後もしばらくホワホワさせられました。 　主人公である爽太には緒美と茉依という二人の美少女な幼馴染がいる。 　二人は幼い頃からずっと爽太のことが大好き…続きを読む

　世界観に惚れこむ、どっぷり浸かる。そういう言葉をとにかく使いたくなる作品でした。 　「霊」というものの存在を目や耳などの「五感」でそれぞれ捉えることができる「異能」を持つ主人公…続きを読む

　とにかくキャラクターの魅力が最高で、あっという間に感情移入できてしまいます。 　主人公はまず男子高校生の麗人と黒川の二人。手品師を志望していて手先が器用でお調子者な麗人と、一見…続きを読む

　いいものを読んだと、しみじみ感じさせられる作品でした。 　有給休暇を取り、人生初の北海道旅行へと向かった主人公。 　その先で目にする光景などが、とても素敵な旅情に満ちていて出だ…続きを読む

　最初にタイトルを見て「令息で聖女（？）ってどういう意味なんだろう」と強く興味を惹かれました。 　「男装している聖女と結婚する話なのかな」とか、色々想像力をかきたてられて、とりあえ…続きを読む

　こういうのもいい。というより、「こういうのがいい！」と、当たり前の日常を肯定的に捉えられる作品です。 　高校生の彩葉は自分が普通の人間であることに悩む。美術部の後輩の萌叶と共に…続きを読む

　色々と、ホラーの可能性を感じさせられる作品でした。 　有名な「猿の手」を下敷きにした作品で、同じく「人の願い」を叶える力を持った「龍の手」というものが出てきます。 　主人公たち…続きを読む

　こういうほっこりした感じ。本当にいいなと思いました。 　主人公は「ある都市伝説」だと思い込んでいたものと直面します。 　「給料の三か月分」が相場だという、ある品物。それを恋人の…続きを読む

　ＳＦ作品として、とてもよく出来た作品です。途中展開もとても面白い。 　ですが、なんといってもラストのオチがもう最高。素晴らしすぎです。 　主人公の黒澤は、「定年後でも働ける装置…続きを読む

　序盤からとても「好奇心」をくすぐられる作品でした。 　なぜか、カラスが大量に集まっている場所を見つけた主人公。そこには一体何があるんだろうと、どうしても心を惹かれて仕方ない。 …続きを読む

　ミステリーとしてもホラーとしても楽しむことのできる作品でした。 　ある時、世界に大きな「変化」が訪れた。 　食糧難で苦しんでいた世界中の人類のもとに、「過不足のない食糧」がどこ…続きを読む

　読んでいて「ぐはあ！」と呻いてしまう瞬間が多々ありました。 　主人公は「薔薇色の人生」に繋がると信じ、『楽してお金を稼げる方法』に飛びついてしまう。 　ニュースなどを良く見てい…続きを読む

　関係性というか空気感みたいなものが、なんだかとても「いいなあ」と感じさせられる作品でした。 　姉の友人の子、つまりまったく血の繋がりのない子が生まれ、ちょっとした足の動きなんか…続きを読む

　事故物件をテーマに色々なタイプな満足感を与えてくれる、実に楽しい小説でした！ 　大学入学を機に、アパートを借りて一人暮らしをすることになった主人公。 　だが、そこで見つけたアパ…続きを読む

　物語の持つ面白さ。それがとにかく凝縮された作品です。 　個性的かつ強い意志を持った登場人物たち。そして先の読めない展開。二転三転と物語の構図が変化し、強力なリーダビリティーによ…続きを読む

　ビスケットホール。本作を読んで初めて知った単語でした。 　大人たちが集まって、「ビスケットの缶」をキープし、それらをカクテルやコーヒーと共に味わうための場所。 　お酒がメイン…続きを読む

　また、強烈な飯テロを食らってしまいました。 　トムがアルバイトで得た給料を使い、幼馴染のニコやいつもお世話になっている美桜さんに食事を奢るという話。 　どこかへ行くかと話し合っ…続きを読む

　家族のあたたかみ。とてもいいなあ、としみじみ感じさせられました。 　主人公は、ある時にカエルの夢を見る。その夢に見たカエルの置物について母に尋ね、祖母の家にあったものだという話…続きを読む

　「この一杯のために生きている」 　最近はあまり聞かなくなった言葉ですが、本作を読んで、「そういう生き方、いいかもしれない……！！」と強く感じさせられました。 　今回のエピソー…続きを読む

　青春の雰囲気をリアルに感じることができる、爽やかな作品でした。 　高校生になるも、「とあるトラブル」がきっかけで、入学早々二週間の停学を食らってしまった外崎。 　彼には特に落ち…続きを読む

　長編一作を読み終えたくらいの満足感がありました。 　話が二転三転、そして思わぬ結末へ。まさかこう着地するとは、とひたすら感嘆です。 　主人公はブラック企業に勤めて心が限界に達し…続きを読む

　設定がものすごく面白くて、「いいもの読んだ！」と強い満足感がありました。 　奏多は、自分の知っている稀花の首が別人のものに入れ替わっているのに気づく。 　なんらかの怪異が胴体を…続きを読む

　とっても良いラブコメを見せていただきました。 　主人公はある日の電車の中で、ヒールを履いた女性に足を踏まれてしまいました。痛いです。 　その後、会社の方向が一緒であるため、ヒー…続きを読む

　読むとしみじみと、胸が締め付けられました。 　飼っていた犬のシロが死んでしまう。焼き芋が大好きだったシロ。それをあげるととても嬉しそうにしていた思い出などがあります。 　散歩に…続きを読む

　描き方が巧みで、とても引き込まれる作品でした。 　三話構成で、それぞれ主人公が異なります。 　一話目の主人公は電車のある雑誌を見つける。そこで「鬼火」が出るという峠の話が出てい…続きを読む

　随所でもう笑えてしまい、序盤からものすごく引きこまれました。 　タイトルの通り、百年ぶりに魔界へ帰ってきた魔王ゼフィーナ。 　しかし、百年もの年月は、過剰なる「変化」を魔界にも…続きを読む

　ものすごい勢いで、食べ物の描写が襲ってくる！　こっちまで空腹になるよ！　と読み終えた時に強烈に感じました。 　ニコは仲良しな店長の美桜と一緒に昼休みを取ることにする。 　とにか…続きを読む

　更に壮大に、そして緊迫感を持って展開していく物語。読み始めると完全に沼の状態になっていきます。 　前作の『ギリシャ物語Ⅰ』のラストから続き、アテナイ・テバイの連合から逃亡してい…続きを読む

　一個一個の話が微笑ましい！　そして、五つ全部読むともっともっと微笑ましい！　そして、愛おしい！ 　「かえる」という言葉をもしパソコンなどで変換しようとします。 　その時、最初に…続きを読む

　「これ、ホラーの醍醐味だよね」と読後に嬉しくなりました。 　ある旅館のトイレにまつわるコワい話。 　トイレに入った際に「頭からか、つまさきからか」と問われた時、「頭から」と答え…続きを読む

　読み始めた段階から、妙にじわじわと引きこまれる、不思議な魅力を持った作品です。 　「自分は料理から生まれた」という自己紹介をする飯沼悟。 　そんな彼がＡ級でもＢ級でもない「Ｓ級…続きを読む

　読み進めるごとに胸がいっぱいになってくる作品です。 　中華・武侠の世界を舞台に、伽弥姫や放浪の武人である朱峩たちが危険に満ちた度を繰り広げます。 　謀略渦巻く世界の中で、耀王の…続きを読む