概要
左の瞳の裏側で未知の光景を見る少年。彼は時を越えて、大百足を退治した青年と言葉を交わす。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!隔世を見る。それは窃視であり幻視であり────つまりは読書の謂である。
遠見棗は、右の目で此の世界を見て、左の目では此処ではない世界を見る。そんな少年です。
目の前にない世界で、魁偉な男と出会うことで棗の世界は動き出しました。
男の名は山彦。
おそらくは海幸山幸の伝承が下敷となっていることと思われます。
日本書紀などの記述では海彦山彦は母から普通に生まれたことになっていたはずです。
もっとも、生まれた場所は、燃える産屋ですが。
日本の神様で、目から生まれたといえば。
イザナギの目からアマテラスオオミカミとツクヨミノミコトが生まれたことが有名です。
二ノ前さんの、この二つの伝承を組み合わせて新たなるキャラクター造形とする手法は見事です。
一気に空想が広が…続きを読む - ★★★ Excellent!!!夢か現か幻か
少年の目は未知を映した。現代とは思えぬ、不可思議な世界を見た。
そこで青年の男に出会った。
そして──。
もう世界が完成されていて、レビュータイトルを決めるのが大変でした。
印象的な言葉が作中にいくつかありましたので、そちらから選ぼうかと思ったほどです。
先に書きましたとおり、少年は自身の目が見た世界に入り込み、青年に出会います。
この青年のかっこいいこと!
けれども魅力はそれだけではありません。
少年の見る「未知」、こちらもまた素晴らしいのです。
墨絵のような挿絵とともに味わいたい、どこか からりとしたような、怪しく魅力的な世界なのです。
ええ、もはや私には表現のしようがありま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!左目が映す「未知の世界」。そこは壮大な物語と、異形の怪物に満ちていて
設定でものすごくワクワクしました。
ある時、「左目」が別の世界(または時代)の光景を見るようになる。右目を閉じて左目だけに視界を限定すると、まるでその世界にいるような気分にもなれる。
大百足が存在し、それを退治する者がいるなど。いわゆる「妖怪退治の物語」に出てきそうな光景が、まさに現実のように目の前に展開する。
その世界は一体なんなのか。どうして、自分にはその世界が見えるのか。
やがて、「そこの世界の住人」の一人と言葉を交わすことが出来るようになる。そうして事情を聞くことになり、また更に壮大な物語があるような感じが見えてくる。
読めば読むほど「未知の世界」に触れていき、…続きを読む